「非情の世界」カリートの道 Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
非情の世界
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『カリートの道』(1993)
主人公が悪の世界にまみれていた人なのだが、さらに巨大な悪に追われて逃げまくる。主人公をアル・パチーノが演じていたり、それまでの様々なエピソードから、悪の世界の人なのに主人公が逃げおおせるのを願ってしまう。逃げているほうも悪なのに応援してしまうという怖いトリックなのだが、生き残るために、とうとう悪と悪との銃撃戦。おまけに悲劇の愛人が待っているところ、逃げ切ったと思ったら、追っていた組織とは別の、以前助けてしまった男に主人公も撃たれた。忠実だと思っていた用心棒まで裏切っていた。途中で仲間だと思った者たちも裏切り者だったりした世界。足を洗おうとした主人公を巻き込んだのもそうした中の一人だった。こんな世界の中で頑張ったほうだぜといいながら、愛人とその腹に宿る子供を考えながら、主人公は永遠の目をつむる。悪であっても悪の世界で巨大な悪に追われると恐ろしい。ちょっと何を教訓にしていいのかわからない。いや、悪の世界から抜け出すのは大変なことなのだと、足を洗おうとしても。そして、自らは悪だと思わなかったとしても悪の世界の中にいたのだとしたら。逃げおおせたと思っても・・・。か。
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