劇場公開日 2015年12月23日

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「限りなく『ロッキー』第一作をセルフオマージュした、ロッキーファンのための作品」クリード チャンプを継ぐ男 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0限りなく『ロッキー』第一作をセルフオマージュした、ロッキーファンのための作品

2020年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 何がオマージュかといって、最後の試合内容と結果やストーリー構成がそっくりだし、舞台を『ロッキー』と同じフィラデルフィアに移し、似たような街並みでトレーニングするのだから。さすがに、背負ったものは違っていた。アドニスはアメリカのスターであるアポロの血を引いた男だし、そのアポロと3回闘ったロッキーをトレーナーにしたのだ。ライトヘビー級現チャンピオンであるロンドンのコンロンも口は悪いし、「親の七光りで」などと挑発してくる。

 一作目を思い出すシーンはまだまだある。ロッキーが働いてるのはレストラン“エイドリアンズ”、母親から贈られた星条旗柄のパンツ、飼っている亀(カメファンも相当数いるはず)、墓はポーリーとエイドリアンが並んでる。フィラデルフィア美術館でのガッツポーズ、グレーのトレーニングウェア、そして一番泣かせてくれるのは初代ロッキーのテーマ、ファンファーレですよね。

 老いも感じられるスタローンだけど、年相応で癌と告げられるシーンが痛々しい。エイドリアンも癌で死んだが、その辛い妻を看ているだけに化学療法を拒否するところがいい。病気を知ったアドニスがやけになってケンカしてしまうところもわかるし、一緒に闘おう!なんてのが泣けてくる話だ。

 続編も公開されるけど、気になるのは癌と闘うロッキーと進行性難聴を患ってるクリードの恋人ビアンカ(トンプソン)だな・・・

kossy