「残された時間。」クリード チャンプを継ぐ男 ピロリさんの映画レビュー(感想・評価)
残された時間。
結局のところ、どんなに使い古されたストーリーだとしても、夢を持った若者が立ち上がり、努力する姿には共感してしまう。映画としては、ストーリー展開やロッキーならではの音楽は相変わらず素晴らしいし、特に試合のシーンが途切れず秀逸の迫力だった。また、主人公の体が序盤からラストまでに本当に一回り大きく出来上がっていくのも見所の一つかもしれない。
これまでのロッキーシリーズを見ているだけに、私自身それなりに年を重ね、目線がロッキーサイド(セコンドサイド)に立ってしまったところに複雑な感情は否めないけど。昔はロッキーシリーズを見た後はムシャクシャに走ったり、シャドーボクシングの真似をしたくなったけれど、今回クリードを観て僕が思ったことは自分の子供や後輩に何が残せるのだろう、という感情だった。
正直、この映画を観てそのような感情が浮かぶのは予想外だった。もっと僕自身を奮い立たせてくれるんじゃないかと期待していたからだ。
それでも後味は悪くなかった。むしろ清々しく新しい世代のために明日から精一杯頑張ろうと思った。残された時間はきっと、そんなに気が遠くなるほど長くはないのだから。
コメントする