「Build your own legacy. スタローンの遺産を見事に受け継いだボクシング・ドラマ」クリード チャンプを継ぐ男 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
Build your own legacy. スタローンの遺産を見事に受け継いだボクシング・ドラマ
監督のライアン・クーグラーはまだ映画を1本も撮る前にスタローンに「ロッキー」の続編をやらせて欲しいと掛け合ったらしいです。正直頭おかしい(いい意味で(笑))。映画学校でたばかりで、あの「ロッキー」の続編撮ろうという発想もスゴいですが、「もうロッキーは終わり」と言っていたのに、前言撤回して若者の熱意に答えるスタローンの男気も熱いではないですか!この「クリード」はそんな「ロッキー」に対してリスペクト溢れる作品でした。
歳をとったスタローンの抑えた演技も見事でしたが、何よりこの役の為に一年間体作りをしていたというマイケル・B・ジョーダン。偉大なる父の愛人の子供として悩める青年アドニス(ドニー)をしっかりと演じきっています。「クロニクル」、「ファンタスティック4」と幅広く出演していますし今後も期待大です。
ボクシング映画につきもののトレーニングのシーンは自分も体動かしたくなりますね。何処かに鶏いないかな?ボクシングのシーンは迫力満点でした。思わず体に力が入ります。最初の試合での長回しもスリリングですし、最後の大勝負で一度ダウン受けた後、父アポロのフラッシュバックと共に復活、そしてあのテーマが流れた時には鳥肌が立ちました。これまで「ロッキー」を観てきた人があそこで感動しないわけはない!!ホント使い方ズルいわー。
最後の試合でドニーが片方の目を潰されレフリーのチェックを受けている時に、本当は目が腫れて見えていないのにロッキーが首の後ろを叩いて指の数を教えるシーン。何気ない所ですが師弟のつながりを感じ胸熱でした。
若者の言葉がわからないロッキー、バイクと共に街を駆けるアドニス、癌との戦い、控え室からリングに向かうまでの緊張感、そして父の威厳をかけた決戦。様々な場面が印象に残る「ロッキー」を見事に受け継いだ作品でした。