「目新しい変化は無い」フッテージ デス・スパイラル Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5目新しい変化は無い

2017年9月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

前作では脇役だった副保安官が主人公となったが、イーサン・ホークはどんな形でも登場して欲しかった。イーサン・ホークだから良かった部分もかなりあるためどうしても人物のインパクト不足が感じられる。前作で子さらいの悪魔「ブグール」の魂胆も分かり、基本的な謎は解けた形で終わった為、本作は必然的に謎解きよりもブグールを食い止めるというのがテーマになっている。世界観は受け継ぎつつ、新しい境地に踏み込んだ形になったが、この悪夢を終わらせる為に奔走する主人公には大変共感することができた。

テーマこそ前作とは異なるものの、変に凝ったりもせず、不気味さやなかなか良い構図もあったのが好印象だ。しかし、前作は地味ながら引き付けるものがあったが本作にはその力が足りない。前作で感じられた独特な恐怖演出も無く、そういったところは普通のオカルトホラーとなってしまった感じがある。また、作家だった前作の主人公は自らスナッフフィルムに手を伸ばしてしまい、自身の手で呼び起こしてしまった恐怖という物だったが、本作はブグールに連れ去られた子供たちが幽霊となり直接現れて強制的に狙いをつけた子供に見せるという変更点が加えられている。その際に「これは傑作だぞ」「ヤダ。もう見たくないよ」→結局見るの繰り返しであり、いささか不自然に感じてしまった。日本では劇場版スルーだったが、興行収入面では前作の半分にも満たなかったという事で第三作目は厳しいだろうが、一定の恐怖を味わうことの出来る作品なのは間違いない。

Mina