セトウツミのレビュー・感想・評価
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「セトウツミ」の感想をダベってみた
「あれ、見た? 『セトウツミ』」
「見た」
「あれ、ヤバくね? だってさ、高校生二人がただダベってるだけのが映画になんだよ」
「監督、大森立嗣だっけ? 秀作多いよね。『まほろ駅前』とか『さよなら渓谷』とか」
「時間もちょうど良かった。だってこれ、2時間もあったら…」
「マジダレる(笑)」
「章仕立てなのも面白かったけど、ちょっと違う感じでも見てみたかった」
「例えば?」
「75分のリアルタイム!(笑) この二人ならやれる!」
「池松と菅田将暉」
「マジ最高。もう素じゃん。あの脱力感とか会話のリズムとか絶妙な間とか」
「二人の役柄もぴったりだった。池松が真面目でちょっと上から目線で、菅田がチャラ男」
「って言うか、この二人(笑)」
「デスノート(笑)。キラとLの後継者が仲良しこよし(笑)」
「二人のユル~い関係性も良かった。メッチャ仲良しって言うより、何か妙に気が合って仲いいってのが」
「エピソード0だっけ? 二人の出会いの話あったね」
「って言うか、二人が他に何話してたか覚えてる?」
「ヤベ…。あんま覚えてねぇ(笑)」
「何話してたっけ?」
「最初はあれ、神妙な面持ち(笑)。後、樫村さんの話とか、食中植物の話とか、節の話とか、お互いの家庭事情とか…」
「エピソード1だっけ? ボーッと川見てるおっさんにはウケた。まさかの神妙な展開(笑)」
「って言うかホント、どーでもいいような話ばかり」
「つーか、そういうのがよくね? だってさ、自分の高校生時代何思い出すかと言えばさ、友達とバカ話してたの思い出すし」
「でもそれってさ、部活とか恋愛してた奴は違うだろうし」
「それ、言う!? 超虚しい高校生活送ってたって事バレバレじゃん。人それぞれこんな青春あってもいいじゃん」
「こんな一期一会もいいよね」
「って言うかさあ、俺の高校時代にも中条あやみみたいな娘居たらなぁ~!」
「中条あやみマジ可愛い!」
「あのけん玉のCMマジヤバい!」
のんびりしとるなぁ(笑)
さすがにマンガが元なだけあって、物語の進行がスッキリしとる。
二人の関西弁が上手く噛み合うとるから、たわいもない会話が観られる会話になってて面白い。
これ見たら、仲エエ連れと話したくなるな。
映画としては短いけど、元ネタを変に変えてない感じ。
原作ファンも怒らんのとちゃうかな?
自分はおもろかった。
いいねぇ
カメラはワンショット、会話だけの映画、なのに面白い
面白い。映画館で見る意味
二人ともキャラクターが出てていいねえ。 喋ってるだけなのに、見てい...
いやぁ、もうね、こういうの大好き。会話だけ?飽きるかも?なんて思っ...
ウツミのみチェンジ希望。
原作の雰囲気を上手く映画にしていた一本。
然しながら、此処でもやはり棒読み一本槍の池松氏の演技が引っかかってしまう。
後は髪、頼むから切ってくれ。
映画の中で決して邪魔になっているわけでは無いのだけれど。
やはりウツミはクールで切れる、「モニョモニョ系」ではない役者にやって欲しかった。
勉強が出来そうに見えないのだもの。
全体的に良くできていただけに、ウツミだけチェンジを希望したい作品。
シュール。
のんべんだらり、河川敷ノスタルジイ
“ダベる”という言葉は“駄弁る”と当て書きするそうで、
最近の言葉かと思いきや実は明治の昔から使われていた
言葉らしい。使い始めたのは当時の学生さんだったとか。
暇潰しにタワイもない話でダベる人は当然今も昔もいるらしく、
これこの映画も学生2人がひたすら河川敷でダベるという
スリルとサスペンスとスペクタクルとは一切無縁な映画。
だけどもこれが、どうにも面白い。
同監督の『まほろ駅前多田便利軒』も、
外でだらだら話してるシーンの空気感とかが
堪らなく心地良かったけれど、この映画では
75分間のだらだら会話をだらけることなく(日本語
おかしくね?)魅せる妙技をやってのけている。
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主に河川敷で繰り広げられる6エピソード+α。
ナチュラルに人を小バカにするウツミのセトいじり。
ウツミに必死に食らい付こうとして墓穴を掘りまくるセト。
快テンポの会話劇とも漫才とも違う、まさしく
“ダベり”と呼ぶ他無いこの独特な間がツボで、
開巻から終劇までずっとニヤニヤしっぱなし。
そして、絶妙のタイミングで登場するサブキャラ達。
オッカナイ先輩の切ない家庭事情にこっちまで
「神妙な面持ち」になったり、セトの家族
(父ちゃん母ちゃん祖父ちゃんみーにゃん)が登場
するたびに笑えるような泣けるような心持ちにされたり、
セトウツミの緩くも確かな繋がりに
ちょっと嫉妬するクラスの美少女だったり。
随所で流れる悲喜こもごものタンゴのリズムも、
アンマッチなように思えて妙にしっくり来る。
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恋に部活に必死に打ち込み“熱い青春”を送る
同級生達を尻目に、ウツミは心の中でこう呟く。
『どいつもこいつも、何かせんとあかんのか。
暇潰すだけの青春があってもええんちゃうんか』
ワビサビ美少女・中条あやみのアプローチを
無下に扱うようなバッキャローぶりはさておき、
ウツミの気持ちはなんだか分かる気がする。
競争心・向上心の無いゆとり世代とでも何とでも
言ってくれて構わないが、何かで優劣を競ったり
必死に誰かとコミュニケーションを取ったりする事に
さして価値を見出だせないのは僕もウツミと同じ。
だからこそ、気の置けない友人の存在が大事に感じる。
醒め切ったウツミの心にズカズカ上がり込んでくるセト。
最初はものすごく(笑)迷惑そうな顔をしていたウツミも、
妙な気を遣わずに済むセトとの時間が日常になっていく。
エピソードが進むにつれ、ウツミの表情(とセト
いじり)が少しずつだが活き活きとしてくるのが良い。
のんべんだらりな日常。他愛もない日常。だけど、
学校帰りに友達とバカな話をして、バカみたいに笑って、
そんなどうでもいいような記憶ばかりが、大人に
なった今でも思い出されるのはどうしてなんだろう。
当時はさして大切とも思わずに過ごしたそんな時間の
空気がこの映画には淡く流れていて、映画が終わる頃には
楽しいような寂しいような心持ちにさせられた。
はい、ここで神妙な面持ち。
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常時平熱だからこそ、微かに熱を帯びた部分がじんわり伝わる。
基本的には大きな感動やドラマがある映画ではないので、
秀作だぜ!とか見事な出来だ!とか声高に言うのも
似合わない感じの映画なのだけど、なんか好き。
ちょっと高めに4.0判定で。
<2016.07.16鑑賞>
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余談:
「ここはもうどっちもいっとこ! ウツミ」って
横からうっさいよバルーンアーティスト(笑)。
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