消えた声が、その名を呼ぶのレビュー・感想・評価
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上手くいきすぎ。。。
最初の過酷な労働とか、殺されそうになるシーンは見応えありましたが、そこから娘を探して見つかってしまう所が上手くいきすぎててちょっと、ん???って感じでした。
「感動もの」より「ドキュメント」の感触
突然の強制徴兵で生き別れになった娘を探し、国を越えあらゆる困難を越えて旅する父親の物語。
とにかく戦争、虐殺、貧困、飢餓、レイプなど、この世の地獄のような描写が満載。でも画面はあまり悲劇として演出せずに一部始終を淡々と映し出すだけ。物を盗んだり、民族や信仰で線引きをして殺しあわせたり、通りがかった女をいきなり引き倒してレイプすることは善でも悪でもなく「日常」「当たり前」と示し、逆に観客の善悪感を揺さぶる。
「泣ける!親子愛に感動!」みたいな前評判を聞いていたけど、どちらかといえば戦争の怖さに泣いたし、ラストの再会シーンもややカタルシスは薄かったかなあ。邦題が派手にネタバレだし、その時だけはっきり発声できちゃって拍子抜け。邦題自体は素敵だと思うので、音にならないのに何故か娘が気付いて振り向くとか、もう少し「消えた声」感を出して欲しかった。
あと双子の設定必要だったかな…?
だから「感動作で泣きたい!」という人にはあまりオススメしない。私は砂漠のシーン見てるだけで喉渇いたし義理の姉のくだりとかひたすら辛すぎてカタルシスを得られる余裕はなかった。
むしろ人種差別や女性差別について考えさせられたので、社会派ドキュメンタリーのつもりで見るのがちょうどいいかも。
映画の題名が今一つ
映画の題名が今一つ。そこの場面で感動しなさい!ってことかな。
邦題のつけ方が良くない。
オスマン・トルコ(正式名称:オスマン帝国)で起こったアルメニア人のジェノサイド(集団殺害)。このジェノサイドによる悲劇を描いている。第二次世界大戦でのヒトラーのナチスによるユダヤ人の大量虐殺を彷彿とさせる。パンフには、地図が載っています。シリア、トルコ・アルメニアの辺り。目を覆いたくなるような場面もあった。「時代は繰り返される。」ということか…。
この辺りは、非常に悲しいことに民族や宗教が入り乱れているため、常に政情不安である。この国に生まれた人間は、非常に貧しい。金さえあれば他国へ行きたいと思っているのだろうか。人の物をサッとと盗んでしまう場面が幾つかある。そうしないと生きてはいけないということが自然に体に沁みついてしまっているだからなのか。この映画に携わっている人々に「移民」が多いことに気づかされる。巨匠マーティン・スコセッシが、言葉は悪いが、映画の宣伝に一役買っている。私は、日本に生まれ育ったためか日本人であるという「民族意識」が薄い。
この映画では、主役ナザレットというアルメニア人がジェノサイドで生き別れになった双子の娘を探すために、旅に出るのだが、ものすごい体力と距離。その原動力は、「アルメニア人であることの民族意識・民族としての血というか絆というもの」が彼を突き動かしているのだろう」と感じた。多くの人から「救い」を得て、前へ前へと突き進む彼の描かれた方は素晴らしかったのですが、様々な困難に出逢う。だが、乗り越えていく。というか乗り越えてしまっている。一寸上手く乗り越えすぎ。それはあり得ないだろうというケースも幾つか。
一番腑に落ちない点は、ラストの幕の下ろし方、落としどころに疑問が残る。「母をたずねて三千里」という作品があるが、この作品は、一人の少年が長い長い旅に出る。やっとの思いで母と再会する。元の家族の形をとり戻すという落としどころは納得できる。しかしこの映画は、主役ナザレットが娘に出会って、その後彼はどうなるのかが全く描かれてはいない。最後にガッガリさせられた非常に残念な作品である。
娘をたずねて5000里
戦時下に差別と虐殺から生き延びた男が家族と再開する為に旅をする話し。
面白いけど、少し冗長で飽きてきた頃感動の再開…と思いきやあっさり声が出ちゃうし、「今までどこに…」ってなんだそれ?しかも大した盛り上がりもなく終了。
何とも締まらず残念過ぎる。
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