劇場公開日 2015年10月3日

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「後味が悪いのに喉越しスッキリの血塗れ純愛アクション」ターボキッド よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0後味が悪いのに喉越しスッキリの血塗れ純愛アクション

2017年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

核戦争で文明が崩壊し資源も枯渇した近未来。乏しい物資や動物を集めてはジャンク屋に売って食料や水を得て生活する青年キッドの唯一の楽しみがヒーローコミック『ターボライダー』。ある日キッドは素っ頓狂に明るい女の子アップルに出会い行動を共にするうちに心を惹かれるが、彼らの楽しい日々は街の水を独占するゼウスとその手下達に脅かされようとしていた。

近未来と言いつつ舞台は”1997年”、チープなシンセサウンドによる8ビートの安いロック、80年代に星の数ほど製作されたバッタ系低予算SFアクションの体を狙っているのが高得点。資源が枯渇しているので乗り物は全員自転車という地に足が着いた設定、『マッドマックスFR』、『~エピソード7』からのパクリもあからさまで、全編廃工場もしくは採石場しか出てこない激安ロケととことんまで東映テイスト。景気よく手足も頭も内臓も飛び散る凄惨でグロテスク極まりない血塗れ描写なのにどこまでもピュアな純愛ドラマで、後味悪いのに喉越しすっきりというよくわからない爽快感のある快作でした。

よね