最愛の子のレビュー・感想・評価
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様々な立場から考えさせられる
やりきれない感情に包まれる実話に基づく作品。
にわかには信じられないような現実…途中からは、不幸すぎる、過酷すぎる、ひでーな!と観ていたんですが、それさえも救いだと語られた瞬間から重く重くなってきました。
中国の一人っ子政策、なんとなくの概要だけは知ってました…多少理解出来ないシーンもありましたが、これは国民性の違いなのだろう。
中国人が中国という国、政府に対し訴える映画でもあるかと思います。
揺らめくカメラ
絡み合ったケーブルと格闘するホアン・ボーを、クレーンによって華麗に動くカメラが捉える。
揺らめくようなカメラワークを駆使して、でも人生の困難をしっかりと描くのは、「ラブ・ソング」と変わらぬ作風。
ヴィッキー・チャオとホアン・ボー。今や中国映画界の2大スターと言っても過言ではあるまい。二人ともどんな役を演じても上手い。
久しぶりにピーター・チャンの映画を楽しんだ。そろそろ「君さえいれば 金枝玉葉」を娘と一緒に楽しめるかも。
なんかいろいろ凄い。
まずは実話、ってことに驚愕。
こんな事件が多発している事も、子供たちを探す宗教団体みたいなグループや流れ作業に忙殺される裁判官や都会と田舎の貧困さ、ひとりっ子政策とか、いろんな問題を詰め込んでつなげている脚本に感嘆。
そして登場人物全員に感情移入できてしまう。
本人達のエンドロールも驚いたけど…。
親と子の気持ちが痛いほど伝わる傑作。
心をかきむしられる思い
凄まじいストーリーに単純な感情表現ができないくらい、心をかきむしられました。
事実をもとにした話ということだが、中国ならではの社会問題が強く反映されているような作品。制作に携わっているスタッフや主演者全員の力強い意志を感じました。
涙する場面が何度かありましたが、描かれている事柄はひどいことだらけで、誰も得をしている人がいない。問題の根深さを強く感じます。
かなり脚色しているところも多々あるように見えましたが、それは世に訴えるための強い意志の表れであると捉えられます。
娯楽映画を超越した主張と問題提起がここにはあります。
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