「のろいのおめめ」のぞきめ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
のろいのおめめ
身体がねじれ、窒息死する謎の怪死事件。TV局の新米ADが追う。
その起因となる廃村の存在。忌まわしき過去と、村に伝わる“のぞきめ”という化け物。
何処からともなく終始覗かれ、その“目”を見た者は呪われる…。
事件(話)の発端、題材や設定、展開など『リング』を彷彿させて悪くはないのに、何故か面白味も怖さも盛り上がらない。
言わずもがな、ただただ演出や演技が不味い。
『リング』風と言ったが、別の言い方をすれば、氾濫するJホラーの寄せ集め。それでもいかに面白く見せられるかに腕や才が懸かるのだが、残念なくらい淡白で個性すら無い。
三木康一郎は『トリハダ』で知られているが(最近だとインティマシー・コーディネーターNGの件)、ホラーはその『トリハダ』と本作くらい。後はほとんど青春ものや少女コミック恋愛もの。ホラーの才なんてあるの…??
“のぞきめ”のキャラのインパクトも今一つ。バッキバキのガン見は不気味だけど(それとも笑い所…?)、何て言うか、結局何だったの…? 呪いやガン見は誰かに助けて欲しくて、お母様~! …?
ある意味のインパクトは、板野友美の演技力の無さ。
恐怖に悲鳴上げるシーンとか呪われた恋人に呼び掛けるシーンとか、感情こもってるの…?
能面演技は『禁じられた遊び』の橋本環奈の顔芸といい勝負。前田敦子がいかに巧いか、女優業の順調さを見ても明白。
板野友美にこの後目立った女優の仕事は無く、三木康一郎もホラーのオファーは無く、本作に続編も無い。
それだけで分かるし、板野友美のつまらなそうな演技や表情からも物語ってる。
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