後妻業の女のレビュー・感想・評価
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後妻業って一体なんのことにゃん
確かにそう言ってる。もはや関西弁を通り越した大竹しのぶの妖怪訛り。ヌードの夜/愛は惜しみなく奪うでの怪演が記憶に残るが、これもまた大竹ワールド。トヨエツの関西弁は抑揚がきつすぎて、違和感もあるが、転んでもただでは起きない妖怪。笑える。鶴瓶は「布袋さんがぬらりひょんになった」。ここに生きる者、皆、もののけ。
大作でもなければ芸術作品というわけでもない本作にこれだけの役者陣が集結したのが不思議。いずれも好演。演出や撮影といった点でチープ感が否めず、特に音楽は違和感だらけだが、あえてB級っぽく仕上げたのでは?バター臭いが、「それがええのよ」と開き直りそう。確かに最後まで楽しませてくれる一本。
夢中になったがオチが残念!!
劇場で予告を観た時は下品でひどい華麗臭がする映画だと思ってスルーしてしまいましたが、実際に観てみると社会派ブラックコメディで面白かったです。大竹しのぶと豊川悦司の存在感が拮抗しており、台詞一つ一つが狡猾極まりなくて痺れます。ウシジマくんが好きなのでストーリー展開から目が離せませんでしたし、中盤まで★5の予感がしましたが、オチが微妙でカタルシスも存在せず凄く残念です。全国ネットで粗チンを晒した鶴瓶が、スカイツリー持ちの竿師として登場するとかもう完全にネタ映画です。バカ息子はバカすぎて軽トラが走ってくるだけでイライラが伝わって来て笑えました。水川あさみは今まで気になりませんでしたが色っぽかったです。
思ったより‥
スケールが凄い。まさか人殺しまでするとは。重大犯罪やん!!なのに笑える。笑い事じゃないのに。キャストは全体的に良かった。大竹しのぶ、期待を裏切らない。トヨエツのダサい感じもいい。バカ息子も良かった。人間て、欲の塊。
ほな、さいなら
なんとも。
まともに楽しめる
鶴瓶が竿師として登場(笑)通天閣やない、東京スカイツリーや〜。
社会問題というか、高齢化社会の荒みゆく暗がりに、現実に蔓延る後妻業という醜悪かつ悲哀に満ちたビジネスについて書かれた原作小説を、かなりコメディタッチに仕上げている。
結局、女の前では、男はとにかく何処までも阿呆なのだ、ということだろう。
スーツを着て、ネクタイを締めて、髭を剃り、髪を整え、昼夜を問わず表舞台の最前線で活躍した勇者達?の行き着く先が、これでは、人生は荒野で、救いがないとしか言えない。
たいていの男は組織から離れると無力で孤独で、プライドだけはやたら高い邪魔者になる。
時代遅れの、使い棄ての豆電球の様なもので(言い過ぎかな)
誰かが、価値を更新してあげないと自分では居場所を見つけられないのだ。
だから、少し若い女性に声をかけられたり、褒められたりして凍えた自尊心に急に血が通うと豆電球達は一気にショートして我を忘れるのだ。
憐れで可哀想な男達の、枯れてなお女を求めようとする男達の、そしてそういった男達を毒牙にかけて貪る女達の、ある種の凄絶な残酷劇を観た、気がした。
想像どおり
面白かった。予想と違っていたのは、通天閣の彼。小夜子の迫力も痛快。所々に笑いがあったが、直前列のおばあさん達は最初からおしゃべりばかりで…
が、実際の事件を想像してしまいます。そして、寂しい男性が多いのかな、と思ったり。
大竹しのぶは演技怪獣ゴジラだった。
「生きるのに必要なのは欲望だ」とチャップリンは「ライムライト」の中で言っている。
ということは「スケベ」と「金」が大好きな人は、人間という動物としてむしろ健全なのかもしれない。
本作は結婚相談所の所長の目を通して、人間のあられもない、むき出しの欲望を描いてゆく。
物語はテンポ良く進むし、観客を飽きさせない工夫がなされている。良くできた脚本であると思う。
そして何よりキャスティングがいい。
結婚相談所の所長であり、やり手の青年実業家、柏木亨に豊川悦司。
そして彼の古くからのビジネスパートナー、竹内小夜子に大竹しのぶ。
この二人が狙うのは老人である。条件がある。
①資産を持っていること
②独り身であること
③病気持ちで余命が永くないこと。
結婚相談所の柏木は、熟年向けの婚活パーティーをひらいている。
この席にはもちろん小夜子も「仕込み」として出席している。
ふたりはここで、上記3項目に当てはまりそうな相手を見つけ出す。
このようにして小夜子は、いままで8人の男の妻となり、柏木とともに遺産をまんまと手に入れてきた。
今また9人目のターゲットが目の前にいる。
元女子短大教授の中瀬(津川雅彦)である。小夜子は首尾よく中瀬の「後妻」の座に就き、筋書き通り夫は間も無く病に倒れる。中瀬の遺産は、今回も小夜子と柏木の手中に転がり込むはずだった。
しかし、ここで中瀬の次女、朋美が立ちはだかる。気の強い一級建築士、朋美は友人の弁護士、守屋に、今回の遺産相続の件を相談した。
弁護士守屋は小夜子の正体を見抜く。
「これはプロの手口だ。『後妻業』だよ」
こうして後妻業のプロフェッショナル、小夜子・柏木チームと、朋美たちとの、遺産を巡る闘いが始まるのである。
この時、小夜子たちが朋美の前に、誇らしげにかざして見せるのが「公正証書遺言」である。
僕の知人の行政書士さんは「終活」講座を開いている。今、大流行りである。その席で、必ず受講者に勧めるのが「公正証書遺言」を作っておくこと。
講師の彼の話では、遺産相続を巡り、骨肉の争いになるのは、意外にも少額の遺産の場合が多いそうである。なかには相続の話し合いの場で、包丁を持ち出して大荒れになったケースもあったそうだ。
そんな不毛な争いを一発で解決するのが「公正証書遺言」なのである。
本作の小夜子と、所長の柏木は、この書面の効力が、いかに絶大なのか、をよく知っているのである。
本作での見所は、もちろん、大竹しのぶと豊川悦司の切れ味のいい演技の「饗宴」だろう。
大竹しのぶ、という女優。
今までどれだけの称賛を浴びてきたことか。
本作を見て改めて
「ああ、この人は怪物だな」とおもう。
というより「演技怪獣だ」と思った。
表面上は大竹しのぶという「着ぐるみ」を着ているが、中身はじつは「演技怪獣ゴジラ」なのではないか? とさえ思える。
本作では、狙った獲物である資産家の老人たち、その人生や親族までをも、まさにゴジラさながら、破壊しまくってゆくのである。
小夜子にはやがて、朋美という強敵が現れる。
演じるのは尾野真千子である。
実際、この二人は焼肉店のシーンで、人目もはばからず、取っ組み合い、殴り合いの大立ち回りを演じる。
「そして父になる」で共演した真木よう子に言わせると
「私よりオッさん」という尾野真千子。
根っからそういうキャラだからこそ、怪物女優大竹しのぶのほっぺたに、遠慮なく平手打ちを食わせることができるのだろう。
結婚相談所所長役の豊川悦司の演技も良かった。
一言で言えば彼の役どころはインテリヤクザなのだ。
銭と法律に関する知識と経験。人を操る人心掌握術。ヤバイ状況に追い込まれてもとっさに機転を利かせ、危機を紙一重ですり抜けてゆく男。
やはり才能がある。
一流の「ワル」になるためには、もちろん、それなりの努力も必要だ。
どういうシナリオでお宝を手にするのか? その企画力と見識、さらに、こまめに動くフットワークの軽さ。何より働き者でなければならない。
金が持つ魔力に取り憑かれた、人物たちを描いた傑作として、伊丹十三監督の「マルサの女」「マルサの女2」がある。
見事なまでの巧妙で精緻な脱税の手口。描かれる人物像を見ていていつも思う。
金のため、脱税のため、それだけの努力ができるのであれば、どんな職業についてもそれなりに成功を収めるだろう。では、なぜ合法的な経営をしないのか? 疑問は残るが、本来まっとうな人間の感覚さえ、麻痺させてしまうのが「お金」の魔力ということなのだろう。
なお、本作においての笑福亭鶴瓶氏の演技は、まあ悪く言ってしまえば「客寄せパンダ的」である。
この人ほど、映画やドラマで「演じる」ということに関して「魂の入り方」がすぐわかってしまう人も珍しい。今スイッチはオンなのかオフなのか、素人にでもわかるのである。
本作ではもちろんオフの状態の演技なのだが、それでも完成版でOKを出したのは監督である。
本作において、この人物抜きにしても、ストーリーの流れとしては全く影響はない。笑福亭鶴瓶氏の、役者として最高の演技を引き出したのは、西川美和監督である。「ディア・ドクター」をみれば、バラエティ番組などで稀有な才能をみせてくれる、上方落語家が、一旦役者のスイッチが入った時、その潜在的能力のすごさに圧倒されるだろう。
やっぱ 大竹しのぶは演技凄いねっ 後妻業って... 爺様相手して ...
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