「この映画はまずいだろう。」後妻業の女 Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画はまずいだろう。
『後妻業の女』(2016)
日本映画専門チャンネルから。最初から汚い話の設定なのがわかる。高齢者マッチングが表向きだが、サクラの女性が入っていて、早く死にそうな富豪と結婚して大金をせしめる会社員らしい。簡単に言えば、結婚詐欺師の女で相手を早期に死なせて遺産をせしめる手口である。結婚相談所の男性経営者も結婚詐欺を組んでいる。過去に8人くらいか殺しているのに、9人めを薬物などで脳梗塞にまで追い込んで、犯罪が発覚しないように徐々に死を誘導しながら遺産を狙う。怖く汚い内容である。社長は結婚詐欺相談所の若い美人の事務員などスタッフたちとは性行為済みらしい。原作は直木賞作家か。監督は日本テレビ系列でドラマを作ってきた人か。危篤状態の老人の金庫から妻の詐欺師は社長と、家の金庫を開けて、数千万円の貯金通帳を発見し、翌日、二人で銀行に行き、全額現金引き出しをもくろむが、受付の銀行員も金額に驚いて次長まで出動する。銀行では本人の意志確認が必要だろうと、危篤中の老人にまで一緒に会いに行く。老人は何を言っているかわからないのに、雰囲気で全額引き下ろし承諾と銀行員たちに確認させる。
そして現金を2000万円近くを折半し、次の大口がいるからと、早くなんとかして老人を始末しようという相談をする。そしてわからないように殺人した。葬儀で棺の中の死人に口付けをする。被害者には娘が二人いるが、相続は私が全部しますと犯人は言う。遺言状をみせる。偽装だろうが。
これは法律では、遺言状に全部相続すると書いてあっても、娘には配当がある法律な気がするが、私自身の能力不足でわからないが、事実婚で入籍してなかったために、全額相続なのだというらしい?法律事務所に二人の娘が行くと、それは後妻業といって、遺産目当てのプロだろうと説明される。ここら辺がどこまでも悪徳の話というわけではなく、後妻業と戦う構図で、倫理的な側面をとっているのだろうか。そうでもしないとフィクションとしてでもやりきれないだろう。現実のほうが、逃げ隠れ通してしまっているのだろう・・・。そして、法律事務所の紹介で、探偵のような男が登場する。そして犯人たちは、次の大物を表向き結婚相談所の婚活で知り合いとなる。犯人の女はうまいテクニックで相手を誘導する。一方で探偵は調べ続ける。その前の被害者の親族に聞きこむが、その時の葬儀の時には、突然親族のところに初めてきて、妻だといって葬儀を取り仕切ったという。なぜ表沙汰にしなかったかと探偵が聞くと、とても恥ずかしい話を表向きにできないと。相手はテレビ局の偉い人間だった。スキャンダル隠しを利用したのか。犯人の女は次のターゲットとデートするが、配役が犯人は大竹しのぶで、相手は笑福亭鶴瓶なのだが、キスシーンなどあるが、これが明石家さんまだったらどうだったのかなどと思ったりした。探偵はけっこうすごくて悪徳結婚相談所に乗り込む。こんなに直接向かってしまって大丈夫なのか。探偵は永瀬正敏で、社長は、豊川悦司。この2人の対面のシーンは雰囲気がある。しかし後妻業という犯罪が最近あるようですねと直接社長に話して去る探偵はすごいな。危険でないのか。ここら辺、警察を介さずに、弁護士と探偵と被害者の勝気な娘の3人のチームで探っていこうとするのだが。この、警察を介さずにというのがどうしたものか。私にはわからない。危険性もあると思うが。関係者に聞き取り調査をするときに、謝礼10万円というと、話し出すが、ここら辺で、探偵業も予算がいるのだろうか。問題解決に対してもカネがいるかと思うと辛いシーンである。しかしなかなか探偵業もすごくて、10万円のうちの1万円だけ渡して、全部が謝礼とは言ってないとして出ていく。すごいな。複数の相手を殺し続ける中で、30歳の一人娘が犯人の女にいるのだが、その息子と口論するシーンがアクセントになっている。すごいことに、探偵と娘(尾野真千子)は直接犯人の女に会う。民事訴訟から始まって多くに訴えると説明する。警察を介さずに、被害者周辺が弁護士と探偵と組んで、直接犯人に疑惑を説明して、民事訴訟を起こすぞという。ここで、『後妻業』という犯罪の概念をはっきりとさせる言葉があるのはわかりやすい。探偵は結婚相談所社長の愛人にも探りを入れる。付き合い始めたのがわずか2年半前なのだが、もう別に愛人は社長を擁護しようともせず、探偵の調査に応じるが、「私は人殺しとセックスしたっていうの」と大声を酒飲み場の周囲の客が振り向くほどの声をあげるが、探偵になにやら証言を与える。徳島県での何番目かの夫の事故死についてだが、社長と女が一緒にその夫を海かどこかに車ごと突き落として殺していた。被害者側の作戦の警察を介さずに、民事訴訟からワイドショーで大事件発覚狙いというのもすごい話である。加害者側は
それを懸念するが、同時に、新たなターゲット(笑福亭鶴瓶)と結婚相談所の社長と会員として、3人で会う。しかしそこまで言っておきながら、人殺しまでしている犯人の女と二人きりで、といっても居酒屋でだが、会ってしまう被害者の娘。大丈夫なのか。犯人の女は、お前ら娘2人は親を放っておいて、わいが世話したんやないかい。何が悪いんかい。と啖呵を切り、娘も勝気なので、この人殺しが。と返して、居酒屋で取っ組み合いの喧嘩になる。ここで暗殺しないのが殺人犯の心理はわからない。さらに探偵も怖いもの知らずなのだろう、社長が新たな愛人といちゃついているところに顔を出す。一緒にドリンクを頼んだりするのだが、クスリを入れられたりしないのか。探偵はどこまでもストレートに、殺人をしただろうという証拠書類を社長に見せつける。実は、探偵は社長から証拠書類を取引しようとした。500万か。と社長が言うがつり上げ、2000万で探偵は社長の顔にタバコの煙を吹きかけ、5000万円にあげたところで、あんた探偵やろうと社長がいうが、探偵は、公立の探偵は刑事ですとセリフを残して出て行く。なんとも刑事と民事の違うことか。そして社長と新たな愛人のセックスシーンが出て来る。愛人役はもろだしのヌードになって、社長は後ろから迫るが、アダルトビデオがあるとは言え、こうした映画はこうしたシーンがある。そして、社長は当然のごとく、探偵を殺そうと犯人の女に持ち掛ける。女(男)とカネと殺人。怖く汚いのオンパレードが出てきて、正義の人かと思うと、それもカネ目当だったりするという・・・。この映画に救いはあるのか。最後はどうなるのだか。その後、探偵は社長から金を5千万を脅し取ろうとしたり、犯人の息子を取引のときに暗殺させようと仕向けたが、痛み分けとなり、探偵もワルだったという。探偵は裏切ってしまっていて、どうなるかわからなくなってしまったし、勝気の次女に長女が私たちも親をさみしがらせて悪かったのではないかとなだめてしまうし、これでは複数殺人の凶悪犯が逃げ切ってしまいそうで、どうなるんだろうか。しかし意外なところで女は終わる。あっけないものだった。息子は泣きわめく。ここら辺に因果の倫理性をみせているのだろうか。残るは社長と女の息子。この残った悪はどうなるのか。と思ったら、悪が不滅になってしまった。どうしようもない。やりようのない終え方で、どうこうした悪い映画を評していいかわからない。せめて最低に近い点数にしておくしかない。封印して欲しい。