「演技力のおかげでかなり笑える」後妻業の女 MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
演技力のおかげでかなり笑える
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大竹しのぶと豊川悦司が持ちつ持たれつの柄の悪いクズコンビを演じているただただ面白い映画だった。
実際にあったらと思うと木嶋佳苗を彷彿とさせるタイトルで、どうやって寂しい老人達の後妻になるかが描かれているのかと思ったが、内容は後妻をする裏で手を引く豊川悦司との手口に焦点が当たっていた。男によって違う魅力的な女を演じつつ、裏は機転が利くけどアホで自分中心で柄の悪いただの大阪のオバチャンな大竹しのぶと、表の顔は結婚相談所長だがそちらにも裏のえげつなさがなんとなく滲み出た雰囲気を醸し出す豊川悦司の駆け引きやテンポの良い会話がかなり面白い。不思議と観た人に勧善懲悪を求める気持ちを抱かせない作品で、見るとアホだね〜と凄惨な犯罪を重ねるクズを客観的に傍観して笑ってしまう。
言葉の速さや抑揚や歩き方や服装の細かなところまでキャラが徹底されていて演技力がすごいし、スーツケースにまで入る大竹しのぶは本当に仕事がデキて突き詰める女優さんなんだなと感嘆してしまった。キャスティングが最高で、被害者遺族の尾野真千子も演技の役が広いし、風間俊介ももがき役が上手ではまっていたし、裏世界の人々に溶け込んで成り立つ水商売役の水川あさみも自然な演技だし、ぬらりひょん鶴瓶はぴったりの役。キャスティングが最高だが、水川あさみの後輩の女の子役の人は若いのにこの作品に出て何の得があるのだろうか。。
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