「役者を楽しむ。」後妻業の女 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
役者を楽しむ。
黒川博行の原作の映画化は、実は珍しい。初めてではないにしろ、著作数のわりには少ないほうであろう。
関西弁がネックかもしれない。
資産のありそうな独身の老人を狙って、その資産をいただこうという後妻業。結婚相談所の所長と、いわく言いがたい女が組んで、この悪だくみを果たしていく。
鶴橋康夫がTVでやっていたシリアスなものから一転して、コミカルなやりとりが続く。それも関西弁のなせる技かもしれない。
先の読めないストーリーもさることながら、本作は役者の芝居を存分に楽しむ作品になっている。
新藤兼人監督作品で共演経験のある大竹しのぶ、豊川悦司のはじけぶり。そこへ関わっていく永瀬正敏との化学反応は、観ていて本当にワクワクした。
大竹しのぶ、永瀬正敏といえば「死んでもいい」(石井隆監督)である。
娯楽に徹した大人の日本映画が少なくなっている現状では、貴重な映画である。
こういった映画が増えてくれば、日本映画も健全といえるのに。
コメントする