「しのぶ怖い子! オチが決まらん。」後妻業の女 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
しのぶ怖い子! オチが決まらん。
予告の「通天閣どころやない、スカイツリーや」
が、ツボだったので、観てみました。
関西弁に関しては、しのぶはそんなにうまくないというか、
関西の人ではないという感じがします。
でも、演技がべらぼうにうまいから、
変なイントネーションの関西人という
感じですっと受取れます。
趣味は読書と夜空を見上げる事、ですってよ。
お金を持っている中高年男性を狙って後妻に入り、
殺すなどして財産を巻き上げる後妻業をやっている
小夜子さんです。
しのぶにしかできない役だなあと思ってみていました。
小夜子は、後添えを探す老人達のスケベ心をうまくくすぐり、
トヨエツ演じる柏木とその財産を食い尽くします。
尾野真千子と取っ組み合いのけんかをし、
馬鹿息子の風間俊介を怒鳴りつけ、
つるべ竿師に本気になって、金をせびられてついに気付く、
悪党でありつつ、寂しい人だなあと思わせる厚みのある人間味を堪能させていただきました。
むなくそわるいですが。
トヨエツもよかったです。
さすがにトヨエツ、老けたなあ、50代らしい肌のシミやなーとか
余計な事も思いました。小夜子に対して、ニセモノのエルメスをプレゼントし、
ニセモノのカルティエを高く売りつけるという、こすいだましで
優位に立とうとしている感じなど、器がちっちゃくて面白かったです。
豪華競演陣もそれぞれに爪あとを残しており、露悪的で欲まみれな
世界を面白く見ていましたが、オチがいただけませんでした。
探偵が、詐欺師でもあり、馬鹿息子に撃たれて獣医に治療させる流れ
(「49歳 オス」が面白かった、柄本明も最高)から、
3000万円巻き上げたはずが、60万しか入ってなくて、柏木のマンションでの攻防・・・と、
おおおーと楽しく見ていたのですが、探偵と依頼人の関係のオチが書かれていなく、
でどうなったん?という疑問が残りました。
ラストでよく分からんけど尾野真千子の気持ちの整理に付き合う人として海辺に一緒に
いたことに違和感がぬぐえず、大きなクエスチョンが浮かびました。
また、小夜子がパニくった馬鹿息子(風間俊介もやっぱりうまい)に、
偶然絞め殺され(えらい簡単に死ぬなあと思った)、その死体を処分しようと
柏木はスーツケースに小夜子を詰め込み、車に積もうとして
職務質問(だれか呼んだ?うまいこと警察来すぎ)され、スーツケースの中身を
見せるよう言われて拒んだりしていたら、スーツケースが動き出し、警官が開けると
ええええ、小夜子生きてた!!
そして一言、
「あたし、被害者ですねん」。
一同ずっこける。えええ、コントで閉めなん?うそでしょー。
この、オチがね、オチがね、受入れられなくてさ。
結構いいやん!から、詰めが甘いねん!という評価になりましたとさ。
豪華出演人の演技と、小夜子と柏木のだましテク、探偵と娘の反撃を
楽しく見ていたのに、オチが気に入らなくてしょんぼりしたという事です。