「どんな人生を歩んでいても、決して逃げられないテーマ」永い言い訳 hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな人生を歩んでいても、決して逃げられないテーマ
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「夢売るふたり」があまり合わなかった(というより、難解でよく分からなかった)ので、今作もどうかな…と思っていたが、とてもよかった。
観た後はいつもモヤモヤした気持ちになる西川監督作品、今回ももちろんスッキリ!というわけではなく、なんともいえない後味が残るが、それでも観後感はほんのりと希望のような明るさが漂う。
それはもちろんストーリーのせいもあるが、何より兄妹の存在が大きかったように思う。
あかりちゃんのキュートさ!真平君の聡明さ!
この2人が魅力的であったために、衣笠がこの2人の面倒を見るうちに精神依存(と言っていいと思う)していったのも説得力があったし、彼らの存在がこの映画の「軽さ」になっていた。
そして、2人の軽やかさにより、大人たちの葛藤はより一層重く響く。
「絶対に忘れない」「忘れることも必要だ」
「子供がいたから生きていられる」「子供さえいなければ楽だったのに」
さらに、衣笠のマネージャーが言い放った「男にとって、子供は免罪符」という強烈な一言。
未婚女性の私ですら、なんだかグサッときてしまった。
男も女も、既婚者も未婚者も、子供がいてもいなくても、家族を失ったことがあってもなくても、「自分の人生」と「他者との関わり」というテーマからは逃げられない。
いつも、見て見ぬふりをしたいような「本音」をスクリーンいっぱいにぶちまける西川監督だが、今作はその間口がより広くなったように感じた。
……というマジメな感想とは別に、本木雅弘と黒木華の不倫シーンがエロくてとてもよかったw
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