「「おくりびと」に並ぶモックンの代表作」永い言い訳 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
「おくりびと」に並ぶモックンの代表作
テレビに出演するような有名作家だけれど、本業の執筆に生きがいを感じているようには見えない。無名時代に支えてもらった妻との愛は冷め切っている。妻の留守中、自宅で浮気相手と一夜を過ごした朝、妻の事故死の報を受けるが、悲しむ感情すら起こらない……。
外づらはいいが中身はダメダメな中年男を、本木雅弘が説得力十分に演じている。別の遺族一家に出会って、子育てを手伝っていくうちに変わっていく過程の表現もうまい。
妻役の深津絵里は、諦念を漂わせるクールな美しさが光る。出番が少ないのがちょっと残念。
西川美和監督が映画に先駆けて描いた原作小説にも同じ空気が流れていて、ちゃんと地続きの世界観なんだなと思わせる。映画を楽しめた方、小説もぜひ。
コメントする