スキャナー 記憶のカケラをよむ男のレビュー・感想・評価
全70件中、1~20件目を表示
思念師
どうも、マイティーズですぅ~。
僕らね、“残留思念”ってのをやらせて貰ってます~。
ざんりゅうしねんって何…? お客さん、食い付きいいわ~。
残留思念って、物や場所に残った人の記憶や感情を読み取れる特殊能力の事なんですわ。
そんなのインチキだ、ミステリーじゃなくSFだろ!…って、お客さん、キッツイわ~。
でも僕らね、これで事件を解決したんですよ、ホンマ。
ピアニストの卵の女子高生で亜美って娘がおって、師で音大生の雪絵が失踪したっちゅうんですわ。
で、僕らに雪絵を探して欲しいと。その雪絵って娘、マイティーズの大ファンらしく。
僕ら一時期人気はあったんですけど、まあ色々ありまして、事実上の解散状態で暫く会ってもなかったんですわ。
丸山はクビ寸前のピンでやってまして、能力を持ってる千石ちゅーのが…。マンションの管理人しながらペットの熱帯魚に話し掛けてる人嫌いで根暗ネガティブの変わりモンでして…。
頑なに拒否してたんですけど、亜美の忘れ物から雪絵の思念を見て、半ば強引に捜索始める事になったんです。
それはいいンすけど、暫く能力を使ってなかったみたいで、ヘンなもんばっかり見て。頼むで、ホンマ!
でも調子取り戻してきて、少しずつ事件に繋がるもんが見えてきたんです。
雪絵の他にも二人、失踪したモンがおったんですわ。
共通点は…?
あったんですわ。幼い頃、3人ともう一人ちっちゃい女の子が、どっかの別荘で遊んでて。
そん時、長い髪の白い服を着た女の子と遊ぶ約束をして…。
失踪した二人の思念を読み取ったら、どこぞの倉庫で…。
殺される間際の記憶から、犯人はあの長い髪の白い服の女の子とそっくり。名前を“エリカ”ちゅー女まで突き止めたんですわ。
一応警察にも報せたんですが、倉庫とか現場に勝手に行った事で大目玉食らいまして…。
おっさん刑事、怖いわ…。まだ『X-ファイル』気分で捜査しとんのか。若い刑事の佐々部はお目付け役だろうけど協力的で。
以上の事から雪絵も…? いやいや、死んどらん!
どうしても諦めきれなくて捜索続けてたら、びっくり仰天の真相と犯人が明らかになったんです…。
野村萬斎さん、これが現代劇初めてらしいんですわ。
風変わりなキャラを独特の演技で、さっすがこの人にしか出来まへん。
手をかざして能力する様がアレと被ってますやん。陰陽…いや、こちら、思念師ですぅ~!
宮迫は…あ、今これ、名前出していいんやろか?
杉咲花ちゃんはまだあどけない健気さを、木村文乃ちゃんはこの頃から変わらぬ美しさを、目の保養になりますわ~。
ホント皆さん、芸達者!
“エリカ”ちゅー女は雪絵と同じ音大生かと思ったら違いまして。
その“エリカ”は10年前に死んでるらしくて。
じゃあ、真犯人は…?
3人といたもう一人の女の子が亜美なのが分かりまして。
亜美は最後の標的。アカン!
さらに残留思念で見えてたもんが間違ってて、長い髪の白い服の女の子の正体は実は…
刑事の佐々部だったんです!
お客さん、そのリアクション、ナイスやわ~。
佐々部とエリカは兄妹。病弱の妹の為に別荘で療養していた時、4人と会って。
妹と遊ぶ約束したのに約束を破り、妹は悲しみの内に死去。
その復讐を…って、佐々部、お前勘違いしとるぞ。
残留思念で分かった事があって、妹が本当に遊びたかったんは、兄貴のお前や!
残留思念で見たけど、お前の過去には同情する。
両親は妹だけを可愛がって、お前が死ねば良かった。虐待も受けて…。
警察の親戚に引き取られたんけど、どっかで壊れてしもうたんやな…。
同情はするけど、何で妹の思いに気付いてやれなかったんや!
お前のした事、絶対許されへん! 雪絵まで…。
金子監督も手堅くエンタメに徹してるけど、やっぱ古沢サンのホン!
コメディ、謎解きミステリー、サイコ・サスペンス、悲しきドラマ、超能力、元コンビの絆、師弟愛、感動要素…巧く纏めてるわ~。
雪絵がマイティーズファンの理由。
雪絵の言葉。才能は自分の為じゃなく、人の為にある。
この言葉、良かったわ~。雪絵のこの言葉にも繋がるし、確かに世の中の才能持ってる人って、多くの人を楽しませ、ワクワクさせ、感動させてる。
強いて言えば、事件の真相や真犯人がちと予想付いちゃった事。どんでん返しや伏線回収も古沢サンの後の『キサラギ』や『コンフィデンスマンJP』ほど鮮やかじゃなかったかな…。堪忍!
人の思念で嫌なものを見たりする。そら、人間不信にもなるわ。
でも、決してそうばかりやない。人の美点、本当の思いを知れる。
それを知る為に、伝える為に、このけったいな…いや、特別な才能があるんや。
どうです、お客さん?
最初はサスペンスかミステリーかコメディかSFか分からんかったけど、終わってみればなかなかいい話でしたやろ?
ところで、一人称で喋ってる僕、誰…?
残留思念…?
もうええわ。
どうもありがとうございました~。
タイトルなし(ネタバレ)
なかなかの面白さ。思念というSFな設定だが、「人の記憶や思いであり、ちゃんと読み取れない、主観なので全ては見えない」というあたりの設定が事件を導いたり、展開させていくので見応えはある。思念が犯人とか言い出したときはどうしようかと思ったが、ちゃんと犯人が出てきて良かった。まあまあ意外性のある感じだし。〔まあ、動機は無茶苦茶なんだけど、安田頑張ってなぁ〕木村文乃の生徒を守るための英断は出来すぎている気もするが感動的とも言える。主人公の個性が印象から消えている…。色々とツッコミどころはあるだろうがそこそこ楽しめたし良かったと思う。犯人が分かっていながらもう一回観てみてもいいかも
評価は低めだけど
以下、人のレビューをみて
感情移入は確かに出来ないかなとは思う。〔そこを楽しむかどうかは別として〕あと、ドラマの案。確かに高い金額払って観に来るのかといわれると難しい人もいるので考えものである。
7本目。多くの伏線を見事に回収できた作品。
野村萬斎さんが初めて現代劇に挑んだ本作品。
最初、それを聞いたとき、意外性を感じた。
でも、それと同時に、新しい一面を見れるという点で、興味をもった作品である。
ストーリーの展開としては、典型的なサスペンス、という感じだった。
比較的分かりやすく、色んな伏線を時間内に回収できたため、スッキリ見れる映画だった。
最初に映る子どもたちの正体、
雪絵先生が「マイティーズ」のファンである本当の理由、
所々にある疑問が、作品の中で明らかになるという点で、とても面白い作品だった、
ただ、割と最初の方から、真犯人がバレバレのような気がするのだが(笑)
だから、初めから気づいた人も多いのでは?
萬斎さんと宮迫さんのコンビも面白かった。
人間嫌いの仙石と、ただのクズな丸山。
コミュ力やら考え方やら、何もかも正反対な二人。
だけど、それぞれが助け合って、事件解決へと導く姿は、とても良いコンビだなぁと思った。
萬斎さん演じる仙石の根暗で人間嫌いなところは、なんとなく分かる気がするなぁ。
でも、時間が進むにつれて、「人間も悪くないな」と思ったのは、大きな一歩だ。
「残留思念」という才能を、人のために使ったことで、そう思ったのだろう。
宮迫さんに関しては、役作り0じゃないっすか(笑)
でも、唯一違うのが、標準語を話されてたところ。
宮迫さんは関西人だよね?、と確認したいくらいだった。
杉咲花さんも演技が上手くて何より。
あと、ちょっと贔屓目になるが、
安田くんがとてもおいしい役だった。
全体いいが確かにテレビシリーズの方が適切だとー
万斎さんやっぱりかっこいい!(先にこの一言。
ミステリープラス特殊能力って結構気にいり、
最後まで楽しめた!役者の演技力全体もすごかったし、特徴もつけられてる。
が
話には結構誇張する部分があって特に最後犯人と対峙するとき、記憶・特殊能力などの処理は曖昧でストーリーにごまかしているかのように思った。
確かに最後万斎さんのあのセリフもあやふやな感じで、なぜそのように思えるか事件が心理的に彼をどのふうに変化を起こしたかよく分からない。木村文乃さんのあの先生役も事件経験も影響がそんなに深くもないかとー
主人公についてまだ謎も多い!
そんなに複雑な話でもないし、テレビシリーズになってもっと詳しく根掘り葉掘りされた内容を見たい!
映画ならせめて続編!
でも最後のペンダントの話が暖かくて好き。いい締めはなっていると思う。
見るがい映画であるのは確実!
終わりがちょっと
孤独な萬斎。
脚本・古沢良太に惹かれて観に行ったが、野村萬斎に当て書き
したオリジナルという意味では標準点ながら、どうもスッキリ
しない終着点という仕上がり。何気に合っていないというか…
ドタバタでもなく、喜劇にもならず、悲劇にしては単純すぎる。
後半のどんでん返しで「あ~」とはなるが、それまでの伏線は何?
というくらいにお粗末では、せっかくのキャストが勿体なく感
じられる。萬斎本人の強烈な個性を活かすところまではいかず
無難に仕上げてしまった感じ。とはいえミステリーなのだから
ストーリー性を欠くワケにもいかないし…という感じで苦しい
面が観ていても分かる。発想と効果に期待が持てるので構成を
もっと綿密に練るべきだったような…映画にするくらいならね。
(何で病弱な女の子はいつも白いワンピなんだろうな^^;不思議)
杉咲花、野村萬斎、木村文乃
杉咲花の表情が良かった。萬斎様に操作をお願いするシーンや最後殺されそうになってるときとかね。ホラー映画も似合うんじゃないかな。
萬斎様は最初、過剰にヘンテコな演技なのね。それが最後に効いてきて、シリアスシーンで「ビシっ」と演技されたときは泣いた。
木村文乃が綺麗だった。萬斎様のマドンナ的位置づけになるんだけど、こんな人いたら絶対惚れるわと思ったもん。
話は、設定とストーリーを紹介して終わりという感じがなくはない。
ラストは「ここで終わらないでどうすんの?」と思って観てて、ラストシーンは「しょーもな」と思ったので、もうちょっと早く切ってもらいたかったな。
悲しすぎる真相。異色だが本格的なミステリー!!
【賛否両論チェック】
賛:先の読めない展開と、伏線の見事な回収が、まさに本格ミステリー。人間不信だった主人公が、事件を通して少しずつ変わっていく姿も印象的。
否:結構ホラーテイストなシーンが多いので、苦手な人には不向きかも。展開も少しだけ強引。
「記憶を読み取れる」という異色な人物が主人公ではありますが、ストーリーはまさに本格的なミステリーです。散りばめられた伏線の回収も見事で、ラストも1本取られます。
「そう来ましたか!!」
っていう感じです(笑)。
そして主人公自身も、その能力ゆえに人間が持つ醜い部分を知りすぎて苦しみ、他人と関わらずに生きてきたという傷を背負っています。そんな彼が、亜美や雪絵の純粋な心に出逢い、事件を通して少しずつその人柄が変化していく様子も、また印象に残ります。
若干ホラーチックなところもありますが、ミステリー好きな人には是非オススメです。
良かった!
全70件中、1~20件目を表示