「二部作にすれば傑作になったかもしれない労作。」僕だけがいない街 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)
二部作にすれば傑作になったかもしれない労作。
まず言っとこう、『バタフライエフェクト』云々、言われているが、そんなに似てもいないし関係ない。というかタイムトラベルもの=『バタフライエフェクト』なのか?
まあそんなことは置いておき、原作の良さは伝えていると思う。
原作ファンとしても序盤は期待できるものがあったし、ドラマ性は強いし、映画としてはまあ悪くはない。
しかし、二時間に1〜6巻、3月4日で連載が終了だそうでオリジナルかわからないけどオリジナルの結末と無理に二時間にまとめてしまった印象かな。
だけど、脚本家は悪くない。むしろ、原作の良い所を取捨選択してなんとか入れた頑張りは見えた。
監督もなんとかまとめた印象で悪くない。
だけど、その分、テンポが悪かった。
これは映画としてもだけど、もっとドラマ性を濃くできそうな所で解決に向かってしまってもいて、もったいない。
登場人物の雛月の部分だけでも充分映画になるんだから、二部作にすれば傑作になったかもしれないだけに本当にもったいない。
ある意味、少し感動を覚えたのは〈藤原竜也〉のおかげと言ってもいいと思う。あの熱い演技はちょっと苦手だが、少々抑えた熱い演技が良かった。
とにかく、非常にもったいない作品で、原作ファンにはオススメしにくいが、未読の方には今作の原作の良さを知ってもらえるだろうし、映画としては楽しめるのでぜひとも未読の方は劇場で見てみて原作を読んでもらいたいです。
個人的には主人公の「声に出てた」という原作の部分がなかったのが一番の不満だったかな…。
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