「団地との遭遇」団地 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
団地との遭遇
阪本順治監督が藤山直美主演を想定に脚本を書き上げたという本作。
団地を舞台に、再び藤山直美の演技が光るあの「顔」のような快作人間ドラマと思ったら…!
シュールを通り越して、もはやびっくり仰天作!
一癖も二癖も有りすぎる団地の住人。
収納庫に引きこもる夫。
物理が得意だったけど雛人形を作る会社に勤めていた自治会長。
団地モノの名物、噂好きのオバサンたち。
さらには、
ガッチャマンを歌う少年。
お腹ピーピーの持病持ちの宅配便。
主人公夫婦の部屋に出入りする時々滝沢カレン並みに日本語がヘンな若い男。
…と言った奇妙キテレツな不思議ちゃんたちまで。
むしろ藤山直美がフツーのおばさん。
その藤山直美と岸部一徳が夫婦役ってだけでもう面白そう。
そこに、石橋蓮司、大楠道代、濱田マリら実力派。
斎藤工も“人間離れ”の妙演。
集合団地が増え始めたのが高度経済成長期故、団地には懐かしい昭和の匂いを漂わせるが、実際はブラックな人間模様の巣窟。
ゴミの出し方がダメだの、隣がDV疑惑だの、住人たちが集まればクレーム合戦。
ヒソヒソ根も葉も無い噂話は尽きる事無い。
旦那がしょぼくれてて最近姿を見かけなければ、死んだ殺された。
そんなブラックな団地あるある、
主人公夫婦の十八番芸のようなやり取り、息子を亡くした悲しみ、
悲喜こもごもの義理・人情、
阪本監督の手腕が冴えたユーモアとペーソスの人間喜劇・人間応援歌も勿論ある。
でも…!
阪本監督、一体何処からこんな発想が(笑)
このオチは本当に事前情報ナシで見て貰いたい。
ま、確かに、団地に○○○が居ても不思議じゃない…かも!?(笑)
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