「号泣必至!インドの王道エンターテイメント!」バジュランギおじさんと、小さな迷子 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
号泣必至!インドの王道エンターテイメント!
とっても良い話だった!
後半は、涙なくして観られない感動作!
インドのデリーで暮らすヒンドゥー教徒のバジュランギは、ある日、一人の小さな迷子の女の子シャヒーダーと出会う
そこで、バジュランギは、信仰しているヒンドゥー教のハマヌーン神に、シャヒーダーを親元に返すと誓うのだが…
華やかな色遣いの中で繰り広げられる楽しい歌とダンスや、観客を笑わせて楽しませる場面が盛りだくさんという、いかにもインド印のエンターテイメント作品になっているこの作品
しかし、そこの背景に描かれているのは、様々な現代のインドの社会問題である
その中でも、最大の問題はインドが独立してから約70年間続くパキスタンとの対立問題であり、
さらに、デヴ・パテル主演の「LION/25年目のただいま」でも描かれていた、インドの迷子多すぎ問題や、そこからくる人身売買問題も合わせて描かれている
それらの社会的な問題がある中で「パキスタンからやってきな小さな女の子」をインドで迷子にさせ、彼女に対する大人たちの反応にインドの現状を映し出している
元々が、インドとパキスタンは一つの国で、イギリスから独立する時に「イスラム教徒の国」として、パキスタンが分離。
それ以来、インドとパキスタンは宗教的な理由から対立を繰り返している
その現状を描きながら、シャヒーダーとバジュランギを仲介役として「今までいろいろあったけど、そろそろ仲直りしませんか」とこの映画は訴えている
インドの中にも悪い人はいるし、パキスタンにも良い人はいる
信仰している宗教が違っていても、助けてくれる人はたくさんいる
シャヒーダーと出会うまでは、バジュランギも熱心なヒンドゥー教徒で、イスラム教徒を異教徒と言って毛嫌いしていたけれど、シャヒーダーと旅をしながら、様々な人と出会い「異教徒の優しさ」を知ることとなる
それは、バジュランギだけの視点ではなく、これまで「パキスタンは異教徒の国」だと思っていた多くのインド人の心境を代弁しているのだ
多少の良心がある人なら誰だって、迷子を見つけたら「親元に帰してあげたい」と思うだろう
しかし、そのとてもシンプルな問題を複雑にしているのは、宗教や、国境、貧富の差など、大人たちの勝手な都合なのだ
まぁ、まぁ、いろいろ問題はあるけれど、とにかく、このシャヒーダーがかわいくて
彼女とパジュランギを助けてあげたいと思うけど、現状では、そう簡単にいかないという話だった
しかし、この映画はインドで大ヒットしたそうなので、この映画を観て、多くの人たちの意識改革になると良いなぁと思った
とえさん
こんにちは。
とえさんのレビューみて本作知りました。
ムンニーのあどけなさとパジュランギの信念が混沌とした社会から浮き彫りになっていて、骨太の感動作でした。
シャヒーダのラストシーンは想像できたけど、満足ですー