「196X年月面着陸捏造の旅」ムーン・ウォーカーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
196X年月面着陸捏造の旅
有人火星計画をサスペンスフルに描いたフィクション『カプリコン・1』。
こちらは今も噂が絶えないアポロ11号の月面着陸捏造疑惑。
しかもそれを仕立て上げたのは、『2001年宇宙の旅』で知られるあの天才だった…?!
196X年。一向に成功の見通しが無いNASAの月面着陸計画。
しびれを切らしたアメリカ政府は計画を“仕立て上げる”事に。『2001年宇宙の旅』で本物そっくりの宇宙映像を撮ったスタンリー・キューブリック監督にあたかも人類が月面着陸に成功したよう撮影して貰う。
極秘任務の責任者となったCIA諜報員のキッドマンはアポを取る為とあるオフィスへ。
若いエージェントと会い、後日キューブリックとも会い、資金を渡す。
…ところが、すぐ騙された事に気付く。
エージェントはたまたまあの日オフィスに居合わせていただけの借金まみれの青年、ジョニー。
キッドマンが手にしていた大金に目が眩み…。あ、言うまでもないけど、キューブリックは偽者。
金がアメリカ政府のヤバい事に関わると知って、途端にビビるジョニー。
あっという間にジョニーの居所を突き止めたキッドマン。
金は返済の為にヤバい連中の元へ、秘密も知られてしまった。テメェーの道はただ一つ。
俺と一緒に“月面着陸”して貰おうか。
まずは監督探し。当然キューブリック本人は無理なので、ジョニーの心当たりを。
気持ち悪い奇人変人…いや、異端肌のアーティスト。
漆黒の宇宙の世界をカラフルにしようとしたり、宇宙人を登場させようとしたり、独創的なアイデアを出してくる。
撮影開始。
ジョニーのバンドが“オーディション”と聞いて参加。
政府から圧力。
苛々募るキッドマン。それをヘンテコ連中とクスリで和らげる。
ジョニーの返済相手。キッドマンに奪われた金を取り返しに現れて…。
何となくオチは分かった。
彼らが本当の意味で血を流す思いで撮影した月面着陸。
しかしその時同時に、本物の月面着陸も行われていて…。
ラストは各々が入り乱れ。
結構バイオレンス&グロ描写高い。
月面着陸の裏で行われていた狂騒劇。
もし、これが本当だったら…
そりゃあアメリカ政府は是が非でも月面着陸を成功させたいわな。