劇場公開日 2017年8月11日

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「退屈ではないけれど」スパイダーマン ホームカミング ミソスケさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5退屈ではないけれど

2017年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

面白かったですが、これで高評価なのはちょっと異議を唱えたくなる感じでした。
特に今までのスパイダーマン(サム・ライミ監督のものやアメイジングシリーズ)と比較してしまうと、言葉に詰まります。

アベンジャーズシリーズの添え物のうちの1つ、としての楽しみはあります。
ちなみに、アベンジャーズシリーズを観ていないと、面白さはさらに半減します。むしろ置いてきぼりになるくらい。
また、スパイダーマンが何故、能力を手に入れるのかなどのストーリーは語られません。
そういった基本設定は知っている前提で、なおかつ、ストーリーは、完全に「キャプテン・アメリカ シビルウォー」に絡みます。
ストーリーを楽しむためにはそういった準備も必要とされそうです。

また、スパイダーマン単体としてこの映画をみてしまうと、スパイダーマンとしてのアクションシーンの面白さ、格好良さに欠ける印象を受けます。
アクションシーンでのCG合成の技術も、なんだか違和感の目立つ、浮いているシーンもあり、そこはいただけませんでした。
特に独特の浮遊感や、アメイジングシリーズで多く登場した応用戦闘のバリエーションなどは少なく、アクション的な映像へ期待すると、肩透かし感を味わいます。

ただ、主人公ピーターパーカーが15歳だからという、これまでの映画と決定的に異なる歳下設定があります。
そのため、これまでのスパイダーマンと比較してしまうと必然的に、ドラマ性、戦闘能力、思考能力、などのレベルが下がってしまいます。
明らかに、子ども。
子どもっぽいのではなく、子どものストーリーになるわけです。
そこをどう捉えるか、でこの映画の受け止め方も変わってくるはずです。

今回悪役俳優のマイケル・キートンは、クライマックスになるとグンと存在感がありました。
むしろマイケルキートンありきのクライマックスだった気がします。
それくらい、スパイダーマンとしてのキャラは正直弱めです。

そして今回のスパイダーマンは、これまでのような悲劇的側面がかなりカットされています。そのため、言ってしまえばご都合主義な展開も多めです。

いかにしてこれまでのスパイダーマンと違う側面を見せるか。
これがこの映画の見どころであり、その確認作業の楽しみがあります。

さらに、これまでのスパイダーマンよりもさらに、ライトな存在になっているので、軽い笑いのジャブを入れてくるシーンが多めです。
気軽に観れる映画です。
ある程度意外な展開ぽいところもあるので、そういうエンタメとしても楽しめます。

ただ、「このカット面白いなぁ!すげえ」とか「このセリフにしびれる!」とか、
そういうのはありませんでした。
青春ものとしても、心を揺さぶられるような驚きはなく、言い換えれば安心して観れる映画です。

アベンジャーズシリーズ自体、大人の事情、利権がもろに出てくる大作なので、いろんな制約はさぞかしあることでしょう。

なので、ある意味期待を裏切りません。
裏切らないので、深い印象も受けない。
でも退屈なわけではなく、楽しめる映画。

つまり、そこそこの映画だと思います。

なので、これを機にスパイダーマン面白いと思った方は、ちょっとずつ以前のスパイダーマンに遡って観ていくと、シリアスさや重さも感じられつつ、反面多くの興奮するアクションを含んだ映像を観れるのではないかと思います。

過去スパイダーマン映画へのオマージュシーンも結構あります。

ミソスケ