「最後の最後でガッカリ感」スパイダーマン ホームカミング galaxymilkywayさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の最後でガッカリ感
公開初日の昼間に「スパイダーマン ホームカミング」を観に行ってきた。
大きなショッピングモール内にある映画館にしては観客動員数は7割位。(後部座席はスカスカ)
夏休みと祝日が被る好条件にしては「スパイダーマン」という知名度が1人歩きしていて、わざわざ作品まで観に行く人は少ないかなという印象。
そもそもマーベル映画、アベンジャーズシリーズは順を追って見ないと話が分からなくなる作品が多い。
その中でもこの作品はまだ単品で観てもとりあえず意味は分かる方。
話は主人公、ピーター・パーカーのヒーローとしての成長物語。
ヒーロー物だと、大半は大きな敵と戦う事が中心で、あまり本人が普段からどういう生活を送っているのかなどの背景描写が弱い事が多いが、ここではピーターがヒーロー活動をしながらも学校に通っている姿を見る事ができるし、学校のシーンとヒーロー活動をしているシーンがバランスよく撮られていると思う。
ピーター自身も能力を持っている事以外はごく普通のどこにでもいる15歳の高校生で、特別に大人びている訳でもなく(成績は優秀みたいだが)日本の中高生とも変わらない。
戦闘中でもスマホを手放せない所なども今時の少年という感じ。
(劇中では、何故ピーターがスパイダーマンになれたのかという過程は省かれてしまってはいる)
ただ、一緒に出演しているアイアンマン(トニー)とピーターの関係性が師匠と弟子の関係性にとらえると少し描写が弱いと感じたので、もう少しそこは突っ込んで欲しかった所。
前作の「シビル・ウォー」でのアイアンマンの疲弊ぶり、悲壮感がちゃんと描かれていたのに、今回の彼は人が変わってしまったというか、昔のおちゃらけたアイアンマンに戻ってしまった感じがしたし、もう少しピーターの話に真剣に耳を傾けても良かったのでは?
結果的に大惨事になりそうだったのだし。
逆に、今回ピーターの敵側となる相手の悪役になるまでの過程がちゃんと撮られていたのは評価するし、コスチュームもきちんと設計されていてカッコいい。
ピーターの恋の物語も劇中に盛り込まれているが、よくある中高生の軽い初恋程度の物で成就はしなかった。
相手役は歴代スパイダーマンと同じくMJかと思ったが、今回のMJはピーターと同じクラブの部員程度で、友達というよりは顔見知り程度の関係で、ピーターは全く眼中になし。
アイアンマンの部下、ハッピーとピーターとのやり取りや、今回カメオ出演となったキャプテン・アメリカのシーンには和んだどころか笑ってしまうおちゃめさも。
100点~95点かなと言いたい所だったが、後半の後半にアイアンマンと久々の出演のペッパー(ほんの何分かなので出演というのはちょっとおかしい?)のわちゃわちゃしているシーンは余計というか無理矢理持ってきました感があり、今までの楽しい映画で終わろうとしている所を一気に気持ちが覚めてしまい70点といったとこだろうか?
2人の関係が復活するしないどうでもいいが、前作にもチラリと理由を話していたのだから、その過程は別の作品でちゃんと説明して欲しかった。
後は関ジャニのエンディングにがっかり感というかわざわざ持ってくる必要性を全く感じない。
全体的にはコミカルな学園ドラマ的要素が強く、アベンジャーズシリーズの中では少し変わった作品の1つ。(どの作品も最初のシリーズは導入編だと思うのでアベンジャーズとも関わりが薄くなっても仕方ないのは納得できる)