「監督が長編デビュー作だけに、演出も、演技も、脚本も粗削りな感が拭え...」螺旋銀河 虎吉郎さんの映画レビュー(感想・評価)
監督が長編デビュー作だけに、演出も、演技も、脚本も粗削りな感が拭え...
監督が長編デビュー作だけに、演出も、演技も、脚本も粗削りな感が拭えない。
それでも、映画を観終えた後に、心は爽やかだった。
良い映画を観た。その充実感で満たされた。
「もし貴方の身体に大きな穴が開いていたら、私の身体にも同じところに大きな穴を開けるでしょう」
研ぎ澄まされた感性が放つ言葉、その一つ一つが胸を打つ。
綾と幸子が椅子に座って台詞だけを言うシーン。
映画であることを放棄したようにも思える。
ラジオドラマのシナリオでが、現実の二人と絡み合う。
気づかぬうちに、私は笑みを浮かべていた。
映像に惹きつけられ、この作品を観ていることに喜びを感じていたのだ。
陶酔……と言ってもいい感覚に浸っていたのだ。
映画としての完成度は、決して高いとは言えない。
それでも、この映画には、観客を惹きつけるものがある。
映画館で観て下さいとは言わない。
でも、多くの方に映画館で観て欲しい。
そう思わせる作品です。
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