「団体戦としてのかるたのエモーション」ちはやふる 下の句 JIさんの映画レビュー(感想・評価)
団体戦としてのかるたのエモーション
かるたをやめると言い出した新と、千早の再開シーンから。新、千早、太一は、かるたをやる理由、自分のためだけでなく仲間とかるたをやる意味などに苦悩し、かるたを通じて各自に成長する。
千早等の様子に影響された新の復帰と、千早の「クイーン戦」を暗示して終わる。
原作未読 アニメ版未見
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前作より、孤独や人の結びつきに注目している印象でした。1対1でありながら、団体戦があるというかるたの特徴を活かし、仲間と励まし合うことの良さを表現していると受け止めました。
やや演技の臭みと、偽物感が増した印象だったのは気のせいでしょうか。(必ずしも欠点とは思わないですが。)
シリアスなシーンで、ちょっと恥ずかしいセリフが入っても、すぐにコメディっぽい緩む展開が挿入されるので、ある程度安心できる。が、演技っぽい恥ずかしいシーンが多く少し辛かったです。シーンによってはちょっと長く感じてしましました。
新の部屋のシーン、場所はほとんど動かなくても、人物が注目する小物によって、感情が変化していくのは面白かったです。昔の写真、遺影、干されているタオルなど。
「上の句」同様、須藤、ヒョロ、肉まんくんなど、やっぱり脇役が好きでした。
須藤が試合前に太一に言った「この世に言い残すことはないか」で吹き出してしまいました。大袈裟だ笑。彼等の試合内容はもうちょっと観たかった気もします。
最後の試合は、戦況が分かりづらくてやや楽しめなかった。スローで札が飛ぶのを観て視覚的に楽しむのが中心になっていたように思いますが、いかがでしょうか。
エンディングで華やかなアニメが観れたのは嬉しかったです。私は前作に続き、このアニメーション表現が好きです。前作のエンドロールはただの黒バックでしたが、今作のエンドロールの彩りに主人公たちの変化が表れているようで、感動しました。