「過去のルーツを探るミステリーホラー」残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
過去のルーツを探るミステリーホラー
8月の猛暑に突入したこの時期、怖い映画が見たくなり、ちょっと見るのにはいいかなと思って動画サイトで観賞。さほど期待はしていなかったのですが、派手さはないものの、じんわり怖くて、わりとまともな話でした。
小説家の「私」(竹内結子)が、読者の「久保さん」(橋本愛)から手紙を受け取り、久保さんの部屋から「奇妙な音がする」ことを知り、2人が奇妙な出来事のルーツを探っていく話なのですが、2人は主人公というよりも、謎解き案内人みたいな感じ。2人の調査がわりと延々と続くのでメリハリがあまりないのですが、途中で、佐々木蔵之介が出てきて、ハッと現実味が出て妙に安心してしまいました。
過去を遡って調べていく途中の新聞記事やら帳面やらの実録の写真がザラザラしてはっきりしないもので、それが不気味で怖さを増していました。ドキュメンタリーみたいで身近に感じるんです。私が一番、怖かったのは、座敷牢の下り。明治時代の「精神病者私宅監置ノ報告」の帳面。亡くなった母親がたまに座敷牢の話をしてたのですが、本当にあったんですね。個人的な夢の話なのですが、トイレに行きたい時に、トイレの夢をよく見ます。何故か、トイレのドアがなく丸見えだったりするのですが、その夢によく出てくるトイレが、あの座敷牢の雪隠とそっくりで、ギョギョギョって感じでした。(*。*;))
そのものズバリの特定の幽霊などは出てきませんが、一つ一つのエピソードや小物の演出の雰囲気が怖いのかも知れません。たとえば、ネコの鳴き声が赤ん坊の泣き声に聞こえたりすることもあり、ちょっとした物音にビクンとすることもあり。日本独特の怖さの「ツボ」を押さえておりますね。
邦画にはありがちなことですが、台詞が聞き取りにくかったです。竹内結子の台詞が特に。音声はヘッドホンで聴いた方がいいかもしれません。
しかし、知り合いのお坊さん(浄土真宗)が言うには、「祟りも呪いも穢れもありません!」(笑)