「好きだった人には申し訳ない。」スーサイド・スクワッド saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
好きだった人には申し訳ない。
前評判通り、駄作だった…
この映画が好きな人にはすいません。
でも僕は駄作すぎてムカついてきましたよ…
金返せ!て感じです。
各キャラクターの感情の変化が動機なく起こるんです。感情の変化が一本の線で繋がってないの。何となくムードで押し切ってるけど、全然納得させてくれないで、無理矢理はなしが進んじゃって、もう置いてけぼりです。それが何度も繰り返されるから、どんどん離れて行ってしまって、どうでもよくなるんです。で結局、もう知らねーよ勝手にやってろよ、って。
何となく音楽使って無理矢理ムードで持っていってるけど、安易に名曲ばっか使って、誤魔化してる様にしか感じない。愛を感じないんです。もう映画自体が音楽に負けてますから…だったら音楽だけ聞かせてよ。映像が邪魔だわ、って。
もうとにかくあざといんです。
最初の銃撃戦とか、ただ派手に撃ち合ってるだけで。
例えば誰かを守りながら戦うとかさ、
向こうにいる誰かを助ける為に戦うとかさ、
タイムリミットが迫る中戦うとかさ、
そういうの無しに唯々撃ち合ってるわけ。
どっちが優勢で、どっちが劣勢とかも特にない。
なんだこいつら?エイリアンか?わけわかんねーぜ。バンバン。みたいな。
全然ハラハラドキドキしないわけ。
CG使いまくってドッカンバッカンやれば観客が喜ぶと思ってんならマジでふざけんなって感じです。
夜のシーンばっかでCGの粗を誤魔化してるし、派手でカラフルな色彩で見せてるけど、なーんか安っぽいし。時間かけて色彩設定してないのがバレバレ。小手先でエンタメやってる様にしか見えないんです。
どうやらね、製作が始まる前から公開日が決まってたぐらいで、もう超急いで作ったらしいですよ。
脚本はたったの6週間で書いたんだって。
デビッドエアー監督が。
もうさぁ、そういう製作体制がダメなんじゃないの?いい加減にしたら?って本当に思う。
ピクサーなんて良い脚本が出来るまでしつこく推敲重ねるらしいですよ。その努力があるからピクサーは毎回面白いわけじゃん。
DCコミックス、体たらく、酷すぎでしょ。
製作陣は一回考え直したほうが良いと思う。
この先もどんどんDCコミックスムービーの世界を広げていくんでしょ?このままだと誰もついてこなくなりますよ。
てかそもそもアメコミ映画とか、コレ系の映画全般に言えることなんだけど、
各キャラの能力のレベルがまばら過ぎない?
ハーレークイーンも、利き腕のスナイパーも、ナイフの達人っぽいやつも、みんな所詮人間の範疇内の能力じゃん。その横に火を操る、なんかレベルが違いすぎるんですけど、みたいな奴がいるわけ。だったら他の奴いらなくね?もうこいつ1人で良くない?って。
かと思いきや隣にワニみたいなモンスターがいて、強そうなんだけど、こいつの能力は謎。なんか力持ちそうなだけ。
でこいつらの敵といったら謎の力を持った魔女で、その力の威力がどんなもんなのかは全然わからない。なんかオーラみたいのがバー!って出たりするけど、それが何なのかもわからん。恐らく強いんだろうなーってなだけで、どう強いのかがわからないから、観ながら手に汗握る事なんか無いわけ。だって何が起きてもおかしくないんだもん。
しかもあーゆーデザインのラスボスってまぁここ数年で何度も見てる。みんな同じ。なんか凄い力を持った神的存在の奴が大規模にバーッ!って強い光を放つ。みたいな。
インフレしすぎ。全部同じ。
そんで気づいたらラストはみんな友情に目覚めちゃってて、自分を犠牲にしたりして助けたり、力合わせて戦ったりしちゃってるわけ。
いつから一致団結したの?
それまでの戦いの中でこいつがあいつの背後の敵を撃って助けた、とかもないしさ。
ちょっとバーで一緒にしんみり飲んだだけでもう親友になっちゃってるわけ。バカなの?
デビッドエアーは若い時にギャングに囲まれて生きてきたから、善人と悪人の境界線って何?みたいなテーマをずっとやってきてるのはわかるんだけど、今作はそれが全然上手くいってない。もう、すってんころりんです。
前回のフューリーも拍子抜けだったし、ちょっとデビッドエアーの信頼度はガタ落ちっすね。
あと最後に、原作コミックがあると言えど、このご時世にあんな日本人キャラはダサすぎ。ステレオタイプが古すぎる。
何なら今の時代、差別的だと思われてもおかしくないキャラっすよ。