「原点回帰」ベル&セバスチャン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰
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実は観るかどうか随分ためらった映画です、大型犬と子供となるとどうしても感受性豊かだったころに読んだ「フランダースの犬」が連想され条件反射的に切なさがこみあげます。
この映画の良いところは所謂愛犬家狙いのベタなワンちゃん大好きストーリーでなく実話に基づいたシリアス感を持ち合わせていることでしょう。もちろん犬と戯れる映像や時々バックに流れる主題歌にも愛情が伺われますが嫌味にならない上手さは長年ドキュメンタリーを撮ってきたニコラス・バニエ監督の上手さとセンスでしょう。簡単なようで無垢の動物や子供を描写するのは難しいものです、加えて自然の美しさや厳しさも描きとる卓越した手腕に脱帽です。
真っ白なベル(グレート・ピレニーズ)は美しさ、穏やかながら勇敢さも兼ね備えた名犬ですね、子役のセバスチャン(フェリックス・ボシュエ)の演技とは思えないナイーブさには感動しました。
映画を観ている間中、どうかこれ以上酷いことがおこりませんようにと祈る気持ちで画面を追っていましたので正直疲れましたが「子供たちや犬たちが幸せに暮らせる世の中にしなければ・・」などと年甲斐もなく青臭い心情がこみ上げてきたのには我ながら驚きました。
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