エクストラ テレストリアルのレビュー・感想・評価
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怖いのはアメリカ軍
タイトルのExtraterrestrialは地球外生命体、かのスピルバーグの名作E.T.と同じだが出てくる宇宙人は典型的な細身のグレイタイプだから怖さもない。予算絡みもあるのだろうが怖がらせるのはCGではなく赤色の閃光ばかり、尺稼ぎは若者たちのバカ騒ぎ、多少のホラーっぽいエイリアンの襲撃シーンはあるけれど、人間側も銃を撃つのだからやられても仕方ないが愛犬の惨殺死体迄見せなくてもよいでしょうに・・。
元ベトナム帰還兵のトラヴィスが言うことにはエイリアンと米国政府はロズウェル事件以来、密約を結んでおり、拉致程度には目をつぶるかわりに戦争はしないということらしい、UFOに拉致されたカイルとエイプリルの恋人カップルはエイリアンの情けなのか地球に戻され、助かったと喜んだのも束の間、アメリカ軍に殺される、どうやら証拠隠滅らしい。なんと怖いのはエイリアンでなくアメリカ軍という飛んでもないカナダのエイリアンアブダクションを題材にしたB級SFでした。
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自宅にて鑑賞。『未知との遭遇('77)』と『スカイライン -征服-('10)』を足した様な印象。廉っぽくはないがどこかで観た事ある様なシーンや描写が繰り返され、目新しさは無い。中盤迄はテンポも良く惹き込まれたが浚われて以降、終盤迄急激に失速し、歌が始まった際は失笑した。最後は『Xファイル』シリーズ('93~'02)の“キャンサー・マン”のパロディだろうか。“トラヴィス”の農場の門にかかる案山子のマスクは、R.ニクソン元大統領に見えた。ラストの1カットっぽく引いていく後退する映像はなかなか。60/100点。
・『グレイヴ・エンカウンターズ』シリーズ('11・'12)のザ・ヴィシャス・ブラザーズの新作(脚本)で、監督はそのメンバーで本作が長篇デビューとなるC.ミニハン。
・鑑賞日:2016年1月9日(土)
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