「問題点の方が苦しく感じた。」湯を沸かすほどの熱い愛 cocoさんの映画レビュー(感想・評価)
問題点の方が苦しく感じた。
辛い映画だった。 もちろん涙は出たし皆さんのいうように 良い映画って思ったりもしたけれど、あれ??なんか変じゃない?が多かった。
辛い気持ちを煮詰めて、それでジャムにしてパンに塗って食べたような気持ち。
どうして採点が低いかというと、いじめられて絵の具まみれになっても告げ口せず耐える様子。
制服を盗られて 男子生徒がいる前で下着姿になった様子。
あれが勇敢にいじめと立ち向かう姿なら、誰もいじめに立ち向かえられない。非現実すぎる。
夫が蒸発、新しい子供を連れてきて、それもサクッと耐えている姿を美徳としている感じ?「どれだけ女が耐えること設定ですすむねん!」とツッコミをいれずにはいられない。それが愛??。
そして連れてきたその子は実のお母さんを待ちおもらしをする。もう小学校2年生くらいと思う。その映像 宮沢りえパンツ脱がす。姉がそれをドアノブにかける。 妹の存在をここにあり??? えっとそれは、「いつか漏らして乾いた後のパンツを母親が見つけて心を痛めたらいいさ」くらいの 小さな仕返し?
あの子役は役を演じていたけれど、辛かったのではないだろうか。
あんな辱めは、映画という芸術の中でも子供にさせるべきことではないと思う。
例え実際には違う液体を使ったとしてもあれって必要???
ヒッチハイクにきて乗ってきた松坂桃李のおばさんにホテルに連れて行かれて逃げた話は 思春期の娘たちに聞かせたらはっきりいいって気持ち悪くて笑えないし 例え乗せた子が心が壊れていると悟っても、娘を守るために危険なことって母親はしない。非現実すぎて、ハテナ。
どこか無責任で なんでも受け入れる大きな愛 と勘違いさせられて見ていたらなんとなくクスッと笑ってしまう下りが怖い。自分とは違いすぎて、「こんな境遇なのに愛を与えてすごい」みたいな感動をうっかり与えてくれるけれど、あれれ? おかしくないかな?って。 疑問の方が勝ちました。
大人の無責任で、子どもが痛々しい。その子どもが大人になった姿で湯を沸かすほどの熱い愛を注いでいる話ということでまとまっていて 泣いて感動して、いい映画ーー!とはなりませんでしたが、子役たち、素晴らしい演技でした。
もちろん 母と再開して手話で会話するところとかは、なんとも感傷的になったけれど、何かがおかしいなっていう映画でした。