「オヤジのいい加減さをフォローした妻だが。」湯を沸かすほどの熱い愛 Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
オヤジのいい加減さをフォローした妻だが。
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『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)
杉咲花演ずる娘はいじめにあい、母親(宮沢りえ)の余命が2ヵ月で、父親(オダギリジョー)は不倫して出産してしまった相手の子供の女の子を連れて戻ってきた。その女の子も含めてなんとも辛い話だが、仕事は銭湯である。かわいそうなシーンが続くが、優しさでフォローされる。余命だけでなく、母親は娘に衝撃的な事実を告げていく。この母親は娘に強い試練を与えて克服させるように仕向ける。娘はとても辛いと思うが、乗り越えていく。気丈夫な母親は<作られた>娘たちとの旅の途中で倒れる。母親というよりも一人の人間として娘たちと向き合ったが、確かに母親だったのだろう。実の子、戸籍上の子、それでも母親。しかし愛で繋がるけれども複雑にしてしまうのは、男女の別れ。そして残された子供との関係。または離した子供との無関係。主人公の母親もその母親と別れていたのだった。そんな事情も許さざるを得なかった。そんな包容力の女性だった。日本古来のというのか、一般にみられる葬儀のシーンがリアルだった。娘たちに強さや周囲の人達にも優しさと思い出を残した。多くの賞を受賞した作品だけのことはある。
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