この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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日本人なら見て欲しい映画
今年観た映画で一番心に残る映画でした。戦前、戦中、戦後の日常生活が主人公のすずさんをとおして描かれているのですが、続いていく日常の中で影響してくる戦争の影の部分とすずさんの強さや弱さがその生活を通してよく描かれていていました。今の私達の生活を見つめなおす上で、幸せってなんだろう、見失ってはいけない物は何だろうと自らに問いかけてくる映画です。すず役ののんさんはすずそのものでした。すごいです。きっとずっと心に残る映画になると思います。
この世界の片隅に
果たして戦争映画かどうかすら分からなくなるぐらい普遍的な何かを映し出しているように思う。戦争論というよりも、戦争という事象は背景に過ぎず、人が生きる姿、人生論なのかもしれない。
一市民から見た戦争描写は非常に斬新なものが多く、未だかつてない描写力で、自らがその場にいればこういうものかもしれないと納得させられる。
見た中で色んなシーンが焼きつき頭の中で色々と反芻してしまう。そんな中でも玉音放送のシーンは強烈な印象が残る。8月15日に戦争が終わることを知る私からすると、何とか終戦を迎えて安息を得てくれと思いながら見ており、ようやく辿り着いた安息日にこっちとしてはホッと胸をなでおろす所だが、それを見事に裏切ってくれる主人公の感情の爆発。終戦に泣き崩れた人の感覚はこれまでイマイチピンとこないものであったが、そうだよなぁ、これまで色々失っていく中で、いつかは自分も死ぬかもしれないという思い、それが定めと考えていたかもしれない。しかし、一転して自分は失われないと分かったとき、それまでが全て不条理になり、失った者に対するやるせない気持ちを一気に背負わされる。そんな気持ちにこれまでなれなかったよ。
戦争映画の歴史を変えた!
号泣!今年ベスト!まずは絵がきれい。 広島が呉が、瀬戸内海がなんとも美しい。 そこに住む人々の実在感たるや。 一般の戦争映画にある悲壮感はさほどなく、いかに戦時中であろうとも、人々にはそれぞれの生活があり人生があったというのが描かれ、容赦なく感情移入させられる。 そこに加え、特筆すべきは「のん」の声。 本作は天才女優の輝かしい復活だ。 広島弁も見事にものにし、従来のポーッとした感じから、中盤のエロシズムから、後半の堕ちていってからの感情の爆発まで見事に演じ切っている。 勿論アニメも素晴らしいがここまで一体化するとは。脱帽。 戦争映画は数あれどここまで当時の人々の等身大の様子が描かれたのは偉業。 テンポもよく湿っぽくなくけれど感情はガンガン揺さぶられる。目をつぶりたくなるシーンもしっかりある。 何もかもが絶妙なバランス。 万人に、世界に勧めたい傑作。 君の名は。のようにヒットして欲しい。
評判通りの良い作品
ラジオで映画評論家の方が絶賛されていたので見に行きました。 良かった点 絵のタッチがやさしいが忠実に描かれているので引き込まれる。 無理矢理観客を泣かせよう感動させようとしていない。 主人公の動作や広島弁がちょっと可愛いので見ていて飽きない。 音楽が映画の雰囲気に合っている。 大人向きで奥が深い。 これまで映画評論家と自分の評価の間にギャップがあったので不安でしたが、これは評判どおり非常に良かったです。
世界中の人に見てほしい
世界中のあちこちで戦争により悲惨な目に遭っている人たちがたくさんいる今の時代だからこそ、この作品を一人でも多くの人に見てほしいと感じた。 見終わったあとの余韻は今年見た映画の中で最高だった。
愛おしいからこそ突き刺さる物語
もし自分に選ぶ権利があるのなら、アカデミー長編アニメーション部門に持っていき全世界に観て欲しいと願う程に素晴らしい作品。 アリーテ姫もマイマイもブラックラグーンも大好きですが、この最新作が片渕監督の現時点のベストだと素直に感じられることが素晴らしいし、全てのスタッフに感謝を捧げたいです。
戦争で戦場に行ってない人々
戦争を描いた映画でここまで前半と中盤と後半と鮮やかにグラデーションしていく作品は初めてな気がしました。 最後で前向きに気持ちをさせてくれてホントに良かったです。ホントに最高の映画でした♪
ほのぼのと悲哀と絶叫と。71年前のリアルを感じた。
感想色々書いたんですが、全然まとまらなくて消しちゃいました。 兎に角、ちょっとでも惹かれたなら観てみて欲しいです。 戦争中に、沢山の場所で同じ様な出来事があったと想うと胸が締め付けられます。。 また、全てが劇中で語られる訳では無いので、知識量によって理解度に差が出る映画だと思います。(例えば二次被爆や、皮下出血等)
そして、きっとすずさんに恋をする
予告動画を見た段階ですずさんに引き寄せられ、映画館へ。 なぜか地元では上映していない。 どこか現実と想像の世界があいまいなすずさん視点で物語は進んでいく。 牧歌的な絵柄であるのに肌身にしみてくるような戦時下の生活の描写が哀しくもあり楽しくもある。世情がどうであろうと人々は生活していくのだ。そうして、あたかも彼らの隣人であるかのように感じながら迎える8/6の悲劇とその結末。 この映画は些末で大きなすずさんの一大個人史であり、痛みと希望を覚えながら最後まで引き込まれる。何度でも映画館で観たくなる作品。
絶対見てほしい!心に残る名作
2016年、様々なアニメ映画がヒットしましたが、その中でもダントツ1番に良い映画でした。
戦時下の生活を追体験しているかのような、生活してる!っていう感覚を持つことのできる映画。
戦時下を特殊な形、地獄のような苦しみとして描くことが多い中で、この作品は喜び、楽しみを描いていることが、まず凄い。
戦争の気配が少しずつ生活に影響を与えているんだけど、変わらない日常を送ろうとする人々を描いている。変わらない生活を送ることで、彼らも戦争を戦っていたのだと思えてくる。
苦しいこと、悲しいことを我慢し、表面的には楽しげに振る舞う。そこが、見ている側としても、表面的には楽しいのだけど、同時に悪化する状況に、そこはかとない恐ろしさ、やり切れなさ、悲しさを感じずにはいられない。
それが最後に、普段はおっとりしたすずさんは感情を爆発させ、人知れず泣き叫ぶのだ。戦時下では悲しい時に人前で泣くことは非国民扱いだったそうだ。泣きたい時に泣けない、感情も殺されていたのだ。
失った右腕は、心の喪失とか、本当に大切な気持ちを戦争に殺された、ありとあらゆるものが戦争に奪われた、そういう全てをひっくるめた象徴を意味している。
ただ悲しみを引きずるということではなく、これからをどう生きるか、そういうメッセージが伝わるので、鑑賞後はとても気持ちのいい気分になる。
生きることの大切さ、今ここにいる喜び、その全てが、本当に大事なものであると思えるのだ。
本当の名作というのは、こういうもののことを言うのだと思えた。是非とも、いろんな人に見て欲しい映画だし、今はなんとも思えなくても、今後いろんな経験を積んでいく中で、この作品が言いたかったことが少しずつでもわかってくると思う。心に残る傑作。
ちなみに、のんの声は、皆さんが言うように、すごく合ってると思います。日常での朗らかな感じもだけど、感情を爆発させる時の力強さも兼ね備えた素晴らしい演技だと思います。
戦争を背景にした市民映画
散々書かれていますが、これは戦争映画ではありません。火垂るの墓のような批判映画というわけでもありません。これは戦争の時代を背景に、その時代を生きた人々の暮らしを描いた映画です。 一言一言がとても印象的で、緩やかながらも展開が飽きない作りになっており、映画としての完成度も高い。素直に観てほしいと言える作品です。
2016年一位!
事前の期待値を余裕で上回る作品だった。
のどかな風景の描写と苛烈な爆撃に晒される描写。配給や雑草まで雑炊にして生きている人間と戦争の最中でも虫、鳥、花々は普段と変わらずに生きている。全てが対比になっている。
そして未来を生きる我々は全ての答えを知った上でこの作品を観ているから、「あっ、それはダメ!」なんて心の中で呟きながらみていた。
もう、正直嗚咽しながらの鑑賞だったし、劇場の雰囲気も同じだった。
今年、邦画は特に良作が目白押しだが、今年のベストに推して間違いないと思う。傑作です!
沢山の人に見てほしい
ぐわっと、心を鷲掴みにされました。
オープニング2分で涙が知らぬ間にぽろっと。
決して、泣かせてやろう、ほら感動しなさい、と仕掛けてくる作品ではないです。
笑える箇所もたくさんあります。
でも、戦争の爆撃シーンなんか
ほんとにはっとさせられ心が痛くなります。
戦争とは‥‥とこ難しいことより
戦時下でも幸せに、普通に生きていたい人の当たり前の日常、それを丁寧に描いてます。
非常に良かったです
こうのさんのファンで、公開日を心待ちにしてました。 ですが、「期待が大きすぎてがっかりするかな、、」「あの作風/雰囲気を動画にするのは難しいだろうな、、」とも思い、いっそのこと見に行くかも迷いつつ、やっぱり観たいなと思って映画館に行きました。(めんどくさい性格ですいません(笑)) 結果は、本当に良かったです。 世界観がそのまま表現されていて、世界観を本当に大事にされて作られたんだな、という感じが伝わりました。 戦時中の街がどんな感じだったのか、凄く臨場感がありましたし、戦時中生き抜かれた方々がどんな思いだったのか、凄く伝わりました。思わず作品に引き込まれて圧倒されて涙ぐんでしまいました。 まだ戦後70年しか経っていないのに、今の日本から忘れられようとしているもの(きっと本当はその方が良いのでしょうけれども、大事なことまで忘れてはいけない気がします。)、あるいは、日本人として忘れてはいけない何かを感じ取れる良い作品だと思います。 (まあ、↑は仰々しくとらえすぎな気もします(笑)そんなに重々しく思う必要はなく、純粋に作風雰囲気を楽しめる作品でもあると思います。) この作品に出会えて良かったです。 そして、日本人で良かったなと心から思いました。 映画館まで観に行って良かったなと思います。迷われてる方はぜひ観に行って頂きたいなと思います。
泣きに行く映画ではありません 見ているうちに涙がでているのです
恣意的に泣かせようとしたり感動させようとしたりしないで淡々とすずさんの日常を辿っているうちに、自分がすずさんになっているのです。 すずさんはゆるふわで感情移入しやすいです。 戦争や生きる事の本質を扱っているけれども 押し付けがましくなく、日常の出来事のたわいもない事や、悲惨な出来事の渦の中で生きて行くことについて、自分たちに寄り添って見せていてくれてるような気になりました。
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