この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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とにかく観るべき作品
絵も素晴らしく、のんさんはじめみなさんの演技も素晴らしい。時代事実も入念に再現されていて丁寧な作りが素晴らしい。このようないい作品がクラウドファウンディングでしか作成できなかったのは業界の問題の一つを示していると思う。
風化させてはいけない日本人の心
30代の私が懐かしいなぁと感じてしまうのは、なぜなのでしょう。
森永のキャラメルやチョコレートを嬉しそうに買う女の子。
絵を描くのが大好きで、すぐに短くなってしまう鉛筆を、大事に削っている姿。
お裁縫が上手くできずに、手に針を刺してしまいながら一生懸命に服を仕立てる不器用な姿…。
色んな彼女の姿を見ましたが、どれも不器用ながらも誠実で優しい人柄が伝わってきます。
戦争という厳しい時代の中でも、明るく楽しく生きる彼女の姿がキラキラ光って見えました。
彼女をお嫁にもらった旦那様が羨ましいです(笑)
おっとりと、人を安心させられる彼女の人柄は、誰しもを幸せにしてくれる不思議なパワーを秘めているように感じます。
家事をするための、裁縫をするための、絵を描くための右腕を失くしても、それでも生きたいと思うことができたのは、周りの家族の温かい支えがあったから。
一人では辛くて耐えられないことでも、お姉さんやお母さん、お父さんや旦那様の優しい気遣いが彼女の心を包んでくれているようでした。
彼らの姿は、日本人の心の奥底にある、誠実さや顕著さ、素直さで溢れています。
日本人として、忘れてはならない大切な部分を改めて教えてもらえた映画でした。
最後に、のんさんの素晴らしい自然体な声に感動しました。
彼女の声がこの映画の世界をより一層引き立たせてくれているように感じます。
新年一発目に、こんな素晴らしい映画を観れたことに喜びを感じます!
ありがとうございました‼︎
一人でも多くの人に見て欲しい作品です。
以前から気になっていて見に行きました。ちょっとのんびり屋で絵を描くことが大好きな18歳の女子、すずの生活を通して太平洋戦争下の日本の人々の生活を切々と、かつ丁寧に描いています。戦争映画にありがちな、兵器や戦闘の生々しいシーンはほとんどない代わりに、彼女たちの普段の生活から「戦時下」という環境の特殊さ、過酷さは伝わってきます。そして彼女自身にも降りかかる「戦争」という現実、辛い経験を経ながらも毎日を一生懸命生きるその姿は、見る人の心を動かさずにはいられないでしょう。また現在では決して見ることの出来ない、戦前の広島市や呉市の活き活きとした
都市の姿を見られることも(アニメという形式だからこそ)非常に貴重な事だと思います。絵柄に興味のある方、戦争映画として興味のある方、ちょっとでもこの作品に気になることのある方は、是非見に行ってみて下さい。必ず見た後、自分の心の中に何かを残してくれる作品です。
よかったねえ
全然よくないのだけど。それでも前向きになれる映画。
戦争という要素を抜きにしても、現代の日本人にはもう馴染みの薄い、家族を大事にする気持ちとか日々の食事に感謝する気持ちとかを思い出させてくれた。現代の暮らしがいかに恵まれていて、その下にこれまでどれだけの犠牲があったのかも。
御涙頂戴でもないしクライマックスらしいクライマックスも無いけれど、それだけにより一層心に残る温かい小品でした。
何回観ても飽きない作品です。
この作品は、観賞すればする程。新たな発見や感動に出会えます。
まだ観賞して無くてこの映画に興味がある人は早くすずさんに逢いに行って下さい。
自分は四回目ですが、近いうちにすずさんに逢いに行きます。
戦争青春映画の大傑作
戦時中の何気ない日常。あっけない原爆投下。人間が生きていくことの素晴らしさを描いた名作。こんなアプローチの戦争映画がかつてあっただろうか。本作がクラウドファンディングから生まれたことも含めて、作り手の方々の執念とも言うべきものづくりへの想いに対し、最大の敬意を払いたい。
また何度も観たい
この世界の片隅にを観てきた。
観た後も思い出し泣きが止まらなくて、その話をしたくなって、何回も観たくなった。
感動や共感の押売りが一切ない。
観る前に、監督のインタビューを聞いたらとにかく謙虚で、広島の人達の声や資料にもとづいて丁寧に丁寧に作品を作ったことが伝わってきた。
日常
女は凄いと思った。
どんな事が起こっても、何が起ころうとしてても「生活」が基盤。
衣食住の全てを取り仕切ってるのが女性なのだと畏怖にも近い念を抱く。
在り来たりな日常から物語は始まり、戦争→原爆と激変していく時間。
だけど、そんな中でも女性たちはメシを用意し、着物を繕い、家から離れない。
群れるし、情報交換に落ち度はないし、支え合うし、創世する。
命を育む使命に従事し疑わない。
命の器であり、その命が消滅する事をも抱え立ち上がる。
世界中の女性が結託し、国連の運営も国のトップも女性がなれば、戦争など起こらないんじゃないかと思える。
「母」として「命を継続させていく者」として、この作品に疑問を投げかける者など居ないのではなかろうか?
世界規模で殺戮が行われる中、愚直に命を維持していく本能に驚かされる。
ほんの数人…自分の周りの手が届く範囲、抱え切れる範囲の幸せを願う。
それが彼女達の世界の全てなのかもしれない。
男は社会に翻弄されっぱなしだが、女性は生きるという人間の根幹に対して常に誠実だ。
逃げない。
いや…逃げれない事を知っているかのようだった。
ラストにどこの誰ともしれない戦争孤児を家に連れて帰る。
ボロ布一枚纏った子供に服を与え、針仕事を教えるエンディング。
まるで、血族という枠組みさえ無いものかのようだ。
女は次世代を育て、伝承し国を育てる。
また、それに疑問も抱かなかった。
寄り添い生きていく。
そんなシンプルで強固な信念を遺伝子に刻んでいるかのようであった。
戦争の悲惨さを語るシーンもありはするが、そんな中でも日常を生きていく女…というか、きっと彼女達には戦争云々よりも、今夜の団欒の方が大問題な案件なんだろうと思えた。
この世界の片隅になんて遠慮がちなタイトルではあるが、片隅とか全体とかそんな区別は持ってないんじゃないかと思える…言うなれば、片隅が全世界であり、その片隅の全世界をいとも容易く吸収し共有していけるのが女性なのではないだろうか。
男は戦いから逃れられないよね…だって開拓していかなきゃならないんだもの。
まあ、女が戦争しだしたら男のソレとは比べ物にならない気もしなくはないが…。
能年
今年最後の劇場映画鑑賞はこれって決めてて、結果今年最後に今年最高級の映画に出会えて本当に良かった。
この映画、そして主演の声を担当した女優が、くだらない利権で潰されそうになっていたという事実が腹立たしいが、逆にそれでも潰されずにしっかり全国展開するまで漕ぎ着けたのが今年の日本映画の底力なのかなとも思った。
戦争映画としても、芸術作品としても素晴らしく、かつ劇場にいた文字通り老若男女全てに対して響く表現が多く、とてつもないクオリティ。
朝たまたまNHK映像の世紀でトルーマン、オッペンハイマーからカラシニコフまでの戦争の記録を見て一泣きした直後で涙腺がイカれていたので、もう終始泣きっぱなしだった。
やはり戦争映画はコミカルに描かれる日常との対比が一番キツい。
特に玉音放送直後のお姉さんの「終わった終わった」の辛さには計り知れない空虚な悲しさが滲み出ていて、僕もそうだし隣で見てたお姉さんもあり得ないくらい泣いていた。
笑えるシーンも泣けるシーンも、今年最後に劇場がこれ程一体感に包まれる作品で締め括れて本当に良かった。
103
世界の片隅に生きている
何気ないエピソードの積み重ねで、主人公達がそこに生きていて、どうしようもない愛おしさを放つ。何度でも会いに行きたいと思わせる。
すずさんは勿論だが、嫁ぎ先のお義姉さんがまたいい。
原作と異なるカメラアングルやシーンの追加もかなりあるが、原作の意図を保持しつつ、発展させているところも素晴らしい。勿論原作未読で楽しめる。
エンドロールの背景画からも目を離してはいけない。
戦前、戦中派が理解できる
セリフを注意深く聞いていると、戦前、戦中派しか理解できない
言葉が幾つも出てくる。
ましてや、「君の名は」の乗りで子供を連れてきている人たちを沢山見たが、子供には面白い映画ではない。
泣きはしなかったが
色々考えさせられた。
話題だったので、中学生の子供二人を連れて見に行きました。
柔らかいタッチのアニメと主人公のキャラクターがマッチして、淡々と戦時中の日常が描かれており、当時はこんな感じだったのかなぁとなぜかリアルに感じられた。
静かでほんわかした印象の前半と、戦争に巻き込まれていく後半が対照的で、特に砲台の爆音や、機銃掃射の破裂音がより身近に迫った戦争というものを感じることができ、戦争映画以上に戦争を感じられた気がした。
連れていった子供のうち、歴史を学んだ上の子は、ストーリーを理解し、とても考えさせられたようだった。
残念ながら下の子は、歴史の前後を把握しておらず、説明の少ないストーリーにちょっと意味が理解できていない風でもあった。
どうであれ、これを見て何かを感じてくれたらなあと親としては思ってしまった。
とにかく静かでありながら、生きるとはどういうことかを考えさせられる良作だったと思う。
老若男女(特に男)観るべき
まずこの映画の最大の美点。
戦時モノにありがちな、左か右に偏るということがなく、なおかつ、お涙ちょうだいに走る作り方になっていないこと。
日々の生活を淡々と、しかし緻密に描くことで、普通の日々のありがたさ、幸せというのを認識できる。
そして、女性の強さと、男の薄っぺらさがよくわかる。(自分は男です)
男のあり方について考えさせられる。
ちょうど、良かれと思ってしていたことが、いつの間にか自分のエゴになり、彼女にフラれたばかりなので、この映画を観てなぜそうなったか腑に落ちた。
男は自分の思う幸せを押し付けて、それで幸せにしてあげているつもりになり、さらにはすぐに調子に乗って自我を通してしまいがちだと思う。
これは同級生の水兵くんが訪ねてくるシーンに顕著。
あとは、絵が徹底的にリアルで美しい。人の動きから、広島弁、さまざまなモノ、乗り物や兵器に至るまで。
これは、たかだか数十年前実際にあったことなのだということを認識できる。(登場人物はフィクションだが)
アニメの爆撃や機銃掃射シーンで鳥肌が立つのは初めての経験だった。下手なCGや実写より数段リアル。
自分がその方面に詳しいぶん、作り込みの凄さが際立って見えた。
これは戦争の恐ろしさと、日常に起こり得るという事実を効果的に伝えている。
1番伝えたいことは戦争はあかんということだと思うが、かなり心に訴えるものがある。
右翼も左翼もこれを観て、素直な気持ちをぶつけあったらどうだろうか。
今の日本人はこのどちらかに偏っている人が多い気がする。これはよくない。
戦争はあかん。それはわかる。でもそれだけを言っていて平和になるなら世話はない。
だから自衛隊や軍はいらんという話にもならない。
世界の皆が戦争はあかんとわかるまでは、自衛のために軍を持つことは必要なのではないだろうか。
それは、すずさん達のような女性を作らないために、つまり抑止のために。この「抑止のため」を忘れた時、人は暴走する。
だから、自国を衛るためだけに軍を扱う強い意志が必要。
そしてこの意思を持つには、戦争は起こり得るし、起こればどうなるということを理解せねばならない。
人は失わないと理解しないというが、失ってからでは遅い。
自分は仕事柄、これをよくわかっているつもりだが、理解していない人がこれを理解するのには最適かと。
とにかく、日本人なら観るべきである。
難しい話が嫌いな人でも、見る価値はある。絵や登場人物が美しい(失われがちな日本の美しさ)。
戦争モノが苦手な私にはやっぱりキツイ部分もあったけど、あの時代に前...
戦争モノが苦手な私にはやっぱりキツイ部分もあったけど、あの時代に前向きに生きる登場人物達は胸を打つものがありました。評判良いの、納得です。
真珠湾攻撃は、呉軍港から襲った
真珠湾攻撃は、広島・呉軍港から襲ったというのに、何の反省もない映画でした。ヒロシマからの映画は被害者意識が強いものばかりです。
この映画の日常描写もウソばかりです。当時の主婦は竹槍を用いた殺傷訓練を課されていました。いや、児童生徒すらも竹槍を持って米兵に見立てた藁人形を突いていた時代です。真珠湾攻撃の成功を、一般市民が提灯行列で祝っていた時代です。
一方的な証言ではまともな映画は出来ません。この映画にだまされている人が多いことがとても悲しいです。いわばナチス側にだけ聞き取りをしてまともな映画が出来るわけがありません。
とても真珠湾の犠牲者遺族に見せられる映画ではありません。周作さんの海軍が真珠湾を襲ったからです。戦争を始めた側だからです。
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