「広島で育ち被爆経験者の祖父母がいる私の感想」この世界の片隅に えりさんの映画レビュー(感想・評価)
広島で育ち被爆経験者の祖父母がいる私の感想
広島の呉という街が空襲で街が一面焼け野原になり、沢山の人が亡くなって焼け野原になった時、その瓦礫を踏みながら主人公のすずは、妹と恋バナしてました。妹の好きな人がイケメンなのかどうかとか。
このアニメのレビューでは、涙が止まらないとか戦争の悲惨さを、目の当たりにしたとか言ってる人が多いですが、呉の、空襲の写真は見たことありますか?空襲のあの大きな音を体験し、いつ死ぬか分からない恐怖を想像したことありますか?私は経験してませんが、広島で育ちそんな話を沢山聞いてきたので、あの空襲の後、あの焼け野原の瓦礫を踏みながら恋バナしてる主人公にビックリしました。
まぁ、アニメだから有り得ないことが起こるのは仕方ないかとその時は思ったけど、レビュー見たら大泣きしてるしてる人が多く、戦争の残酷さがどうとかって書いちゃってる人も多いのでそれに、またまたビックリ。日本は平和ボケしすぎてますね。。悲しいです。
他には、主人公のすすが、島の高いところで街の景色がよく見えて、綺麗なので、その景色をスケッチしているシーンがありました。その時代ではそのような絵を描くとスパイだとみなされ禁止なので長官?の注意を受けてました。
それを知ったすずの家族は、すずはドジだねぇとお腹をかかえるほど、大爆笑してました。
そのシーンについても、、
実際、私の祖父の友人は広島の大崎上島という島ですずと同じことをして、スケッチが見つかった時には捕まり1週間帰って来ず帰ったきたときには暴力を振るわれて身体中アザだらけになって帰ってきたそうです。目もあかないくらい殴られて帰ってきたとか。その話をしていた時の祖父の表情は今も忘れられません、、辛い思い出したくない思い出だったのだと思います。
でも、アニメの中では笑い事になってるし、瓦礫踏みながら恋バナしてるし、違和感の連続でした。こんなに、甘ったるい内容を見て戦争の悲惨さを目の当たりにしたとか泣いたとかそんな事を言ってる人が多いのは、被爆者の話を聞く機会が広島以外では極端に少ないでしょうし、戦後70年経った今被爆経験者も少なくなりすぎて本当の戦争の経験を次の時代に伝えることができなくなってきた時代なんだなと感じました。
焼け野原で沢山の人が亡くなった中で瓦礫を踏みながら恋バナをするほど呑気だなんて、アニメだとしても不謹慎。最近でいう、東北の震災で瓦礫のどこに死体があるかわからない状況で妹の好きな人がイケメンか話してる状況ですよ、今そんなアニメ作ると反感買うから流せないでしょう?
ただ、他にもレビューをみると、このアニメは、世の中が戦争をしていても、1人の女性としてこんな生活もあるんだよ、ということがわかり感動したと書いてる人も多い。
確かに、戦争ものって、戦闘機使って戦ったり、残酷すぎて、目を塞ぎたくなるようなシーンが多かったりとそんなものばかりなので、ひとりの女性の目線て中々着眼点がいいと思ったりもする。
でも。じゃあこちらも1人の女性として考えた結果女性としてもすずみたいな人が嫌い。トロくてのろまで自己中。悪気がないから何でも許されてしまうけど、空襲がひどい時に走って外に出て、それですずを旦那さんが追いかけたりするんだけど、旦那さんの命のことは何も考えないそういう行動とか、自分は死んでも構わないんでしょうけど、旦那さんが追いかけざるを得ないので他人の命のこと考えてほしい。アニメのキャラクターに向かってまじめにコメントするのも馬鹿馬鹿しいのですが、ひとりの女性として強く生きていく姿がどうとかってゆう感想が多いので一人の女性として、こちらもツッコミどころ満載なのでツッコんでます笑
全ての行動がトロくてすずみたいな人が現代で同じ会社にいてもムカつくくらいなのに、まさかあの戦時中にあんなトロくて世間知らずな奴いたらお荷物でしかない。
なのでひとりの女としても無理だと思いました。
結果、アニメとしてもひとりの女としても評価出来ないです。
嘘のようなリアルを現代人に感じさせる為のすずのキャラですからね。笑
苦しかった悲しかっただけの映画がお好みのようで。
ここまで作者の意図するテーマを受けとれず、単にキャラクターの内面や心情を読み取れず行動でしか理解出来ないなら映画レビューなんてやらない方が良いと思いますよ。
面白い面白くないは自由ですがテーマに対しての反証が何も無いのにレビューと言われてもね。笑
この方にどうしてもコメントをしたくて登録しました。
広島には何度も行き資料も見ました。同じ戦争という意味では知覧にも特攻隊の資料も山のように。家にたくさんありましたので、普段公開していない悲惨な写真、手紙、遺品、広島の話しも聞いたことがあります。
今日本は平和です。
私自身そんな風に経験はしていません。
ただ、この映画を見て、すずの呑気さに苛立ちを感じる。それはわからなくもないです。
広島の悲惨さを伝える映画は山ほど他にもありますが、ご覧になりましたでしょうか?
このようなタッチの映画は存在してはいけないのでしょうか、どこまでも資料に忠実で悲惨な惨状と絶望を与え戦争に警鐘を鳴らす、ドキュメンタリーでなくてはいけませんか?
常に皆が喪に服さねばいけませんか?
私は小さい時、祖母が亡くなった時遺体の前で踊っていたそうです。
皆んな笑っていました。遺影の祖母も。
皆んな人間です。
どんなに悲惨で残忍で石ころ以下のような苦しい経験をしていても、生きているうちは希望や笑顔の時間を持ちたいのではないでしょうか。
戦争を知らない、興味のない人は山ほど居ます。原爆のことをなんとも考えられない10代の子も山ほど居ます。
そのきっかけの、少しでもとっかかりとなる映画だと私は感じました。
突っ込みどころはいろいろありますが一言だけ。
人は常に理性的に行動しなけれなならないのでしょうか?
どんな目にあっても理性を失わない人間っているのでしょうか?
理性的に行動できない人間はこの世に存在してはいけないのでしょうか?
恐ろしいですね。