劇場公開日 2016年11月12日

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「幸せのありか」この世界の片隅に 由良さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5幸せのありか

2018年8月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

彩の国シネマスタジオの上映でようやく見ることができた。
評判がいい映画だったからか、この上映会で席がほぼ満席に埋まっていることも珍しかった。
原作、ドラマを途中まで見ているので、大体のあらすじを知っていたが、細かい部分ははしょっていても、後半に持ってきたりしていて、そうやって二時間にまとめたのかと構成の仕方に舌を巻いた。
すずさんのほんわかとした雰囲気に、戦時下の苦しい時期でも笑いの堪えない話になっていて、戦争の時期を描いた作品でも悲惨さばかりが目立つような作品ではなくて良かった。
周作とすずさんの嫌みのないラブシーンもどこか微笑ましかった。
一つ気になったのは、すずを訪ねて北条家にやって来た水原を周作は納屋に留まらせるが、そこにすずをやって鍵までかける。
原作をそこまで読んでいないから、分からないが、周作は嫁さんが一夜の過ちを犯さないのか不安ではなかったのだろうか?
それよりもすずのことを信じているからこそのことなのだろうか?
すずは水原の気持ちを受け入れず謝り、次の朝送っていく。
そして、結局習作と出掛けた時に列車の中で喧嘩してしまう。
周作は、すずの水原に対して気兼ねなく話す態度に苛立ちがあったようだ…。
鍵までかけたのに、結局気にしてるのって…💧
戦局が悪化していくなかで、すずが広島に帰ると言っていたときには、原爆に巻き込まれるのではとヒヤヒヤした。
すずが帰らず残って難を逃れたときはほっとしたが、結局すずの家族は巻き添えを食らっていたことは、悲しかった。
爆弾で、姪と右腕を失ったすずさんが、家に落とされた焼夷弾を一生懸命消そうとしてた姿と、玉音放送を聞いて、畑になだれ込んだすずさんの「自分は海の向こうから来た米や大豆で出来ているから暴力に屈しないといけないのか」と項垂れながらはいた台詞には、それまで明るかった話とは打って変わって、辛い思いが涙となって溢れた。
玉音放送を聞いたあとで対極旗が掲げてあったのがよくわからなかったが、原作ではアジア諸国への占領下への台詞が盛り込まれていたことがわかったが、アニメでは台詞が変わっていて余計に不自然に感じた。
ただ台詞は外国のことを一回の主婦だったすずさんが当時どこまで理解できていたのか謎ではあるので、映画の方が自然な流れではあるように感じる。

由良
由良さんのコメント
2023年8月28日

そういう風習が残っている国の話を、昔聞いたことがありました。
確かに、その感覚だと、至極当たり前なのかもしれないですね。
そういう理解の範疇で、年代ギャップはどうしても出てきますね…‪💧‬
こちらこそ、よろしくお願いします(*^^*)

由良
きりんさんのコメント
2023年8月28日

「客人に妻をサービスで差し出す習慣」って、意外と世界にはあるんですよ。
この戦時中ならではの死に行く人への餞別としての極限のシーンとか、すずさんの初夜とか、遊郭の女郎とか、大人のための隠さず見せる特異なアニメーション映画だと思った次第です。

フォローを頂き光栄です、こちらこそよろしくお願いしますね。

きりん
由良さんのコメント
2023年7月9日

コメントありがとうございます!
あの映画ももう20年以上前の映画になってしまったんですね…。

由良
きりんさんのコメント
2023年7月6日

こんばんは、
「運動靴と赤い金魚」を見ていた娘が20年年後にこの映画「この世界の片隅に」も見ていました。

きりん