「「普通」が、尊い。」この世界の片隅に ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
「普通」が、尊い。
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生まれた時代が違うだけで、便利さや慣習が違っただけで、戦争をしていた時代のひとだって、ただ今の私たちと同じように毎日を生きてた。
好きなものがあって、好きな人がいて、
おいしいものを食べたいと思ったりして、ぼんやり空を眺めたりして。
日常のふとした瞬間にクスリと笑ったりして。
ただ、すずさんという女性、その周りの人の生活を描いていた本作。
そこに今と圧倒的に違ったのは「戦争」という大きなものが影を覆っていたこと。
色んなものを、大切な人を奪われて「普通」でいられることが一般市民ですら難しかった時代であったこと。
だけど、それだけのことがどれだけのことだったのかを思い知らされるきっかけになった。
自分と大好きなものとを繋げていた右手を失ったときの、彼女の心の叫び。「ぼんやりした私のままでいたかった」という叫びが、苦しくて仕方なかった。
すずの声を当てられたのんさんの訥々とした話し方がとても良かった。
すずさんという人そのものになってた。
戦争の時代の作品は見ていて辛いからいつも避けてきた。
この作品も色んな見方があるのだろうけど、私はどうしても人が戦争に運命を狂わされる辛さにばかり捉えられてしまう。。
やはりこの作品も見ていて正直辛い場面もあったけど、でも見れて良かったと思う。
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