「きっと来週も見に行ってしまうだろう」この世界の片隅に まいまいさんの映画レビュー(感想・評価)
きっと来週も見に行ってしまうだろう
先週最初の鑑賞で感動して、いろんなレビューを読んだ上で原作を買い求め、今日2回目の鑑賞をしました。リンさんのこととか、水原のこととか、いろいろあるのだけど…すずの涙について、わたしの解釈を聞いてください。完全にネタバレレビューなのでご注意くださいね(> <)
8月15日、すずは、いったい何に対して慟哭したのだろう…(原作を見ていない)レビュアーによっては評価が分かれてしまうのは、この涙の解釈によると思う。
「そんとな暴力に屈するもんかね」
晴海を亡くし、右手を失くして…すずは一度絶望する…その後、家を焼かれそうになっても、8月6日に広島の家族の安否がわからなくなってしまっても「生きていこう」と決意したすずの言葉だ。
直後、この決意をへし折るかのように終戦を告げられ(この時の、のんさんの演技は必見!!)、努めて普段通りの営みを行おうと、水を汲み、畑に向かうすず。径子の涙にも敢えて背を向け畑に着くと、日本のものではない国旗が目に入る…
戦争とは、暴力とは、空襲や爆弾だけではなかったのだ。気づくまでには失うものが多過ぎた、遅過ぎたのだ。今のいままでぼーぅと生きてきた自分に、何も出来ない自分に、憤りと後悔が押し寄せたのだ。そんな涙だったように思う。
戦闘の悲惨を語る描写はほとんど無い。軍部の批判もない。むしろ憲兵の横柄をさえ、笑いにしてしまうなんて、これは戦争映画としてはリアリティが無いなどとする見方も確かにあるでしょう。しかし、この映画を観た人が皆、すずのように決意を持って生きていければ…そんな勇気を貰える映画だと思います。まだ見てないひとは劇場で観てほしいと思います。
とくに3月19日の水彩画の様な描写と8月6日の閃光!
息を呑むとはこういうことか、と思います。
圧巻です。
3月19日のオチも
ほほえまカワイイです( ´͈ ॢꇴ `͈)੭ु⁾⁾·°˖
つまりそういう映画です