劇場公開日 2016年11月12日

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「気楽に笑える戦争映画〜〜」この世界の片隅に 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0気楽に笑える戦争映画〜〜

2016年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

あえて最初に、「笑えるのでまずは気楽に観て欲しい。」
そこが一番大事!!

原作の事は全く知らなかったのですが、
パイロット版制作のためのクラウド・ファウンディングで
あっという間に目標額の倍近い金額が集まったと聞いて
それだけファンの多い作品と知り興味を持ちました。
新しい映画の作り方として、
こういう作品には是非成功して欲しいです。

評価は人それぞれなので、星の数をどうのこうの言う前に観ておくべき映画。
今ちゃんと、観ておかないと、今後映画の話は語れない無いレベルの
作品になって行きそうな勢いです。
伝説の映画の誕生をリアルタイムで体感して欲しい!くらいの熱量を
映画評論家やアニメ専門家の皆さんの解説に感じました。

内容に関しては熱い投稿が数多く寄せられてるのでサラッと〜〜

戦火が激しくなってゆく様子が、食べ物の描写を通じると
本当に現在と地続きに感じられるんですよね。
戦争の数年前は洒落た洋食や贅沢な和食も沢山あったものが
どんどん貧しくなって行く。
庶民の暮らしも、周りの空気に従っているうちに
ドンドン窮屈になって、風景画を描く事すら出来なくなる。
戦争の本当の恐さ、国家権力の恐さは
普通の生活をして居る人々を描写する方が
残酷な戦場描写よりも数段、現実味を帯びて迫って来る。

だからこそ、今、世界的にどうもキナ臭い今、
国が、企業が、一部の富裕層が己の利益ばかり優先する今、
観ておくべき映画だと思います。

星のナターシャ