「みた後、心の整理に時間が必要」この世界の片隅に saicacoolaさんの映画レビュー(感想・評価)
みた後、心の整理に時間が必要
この作品には、表面的な美しさや、派手な演出、感傷に浸る洒落た言葉もない。
あるのは、すずの生きた日々の生活である。
悲しみや喜び、人を愛することが飾らずに描かれている。
すず自身、素朴な愛らしさのある人物である。
世界の片隅の出来事かもしれないが、確かな幸せがそこにあるように思う。
ただ戦争は生きることを否定し、日常の生活を奪うもの。
すずは生きる力をいっぱいにした生活の中で幸せを感じるであろう。
しかし、もって行き場のない感情がすずの中にあり続けることは否定できない。
この作品をみた後、私にもこの感情があった。
優しい印象で描かれたこの作品には重く冷たいものが中心にあるのかもしれない。
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