「この悲劇は、果たして、「過去の戦争体験」なのだろうか?!」この世界の片隅に Michiさんの映画レビュー(感想・評価)
この悲劇は、果たして、「過去の戦争体験」なのだろうか?!
以前、日経新聞一面のコラムに、「君の名は。」が取り上げられましたが、
11月20日には、当該作品を取り上げていましたので、急遽、観に行きました。
太平洋戦争末期の呉と広島が舞台の作品です。
次の特徴が挙げられます。
1. 高齢者向けだが、若者に観てもらいたいアニメである事。
2. 通常は、公開館数は350館ほどですが、たったの68館しか上映していない事。
3. 公開館数が少ないのに、興行成績が、2週連続TOP10だった事。
4. 評価・レビューが、5点満点中4.6と異常に高い事。
日経新聞によると、昨年春、クラウド・ファンディングで協力者を募り、
8日間で目標の2000万円を達成したそうです。
(最終的には、3374名により3900万円)
その為に、エンドロールで出資した個人名が、しばし流れていました。
日経新聞では、最後に、「映像文化の今後の道を示した」と結んでいました。
先月放送されたNHK「おはよう日本」でも、特集を組まれていて、
それによると、漫画が発行されてから、映画制作に6年も要したそうです。
さて、感想ですが、
主人公のすずさんが、ちょうど他界した母と同年代(大正15年生)という事もあり、
また、すずさんは、18歳で結婚したのですが、母も19歳で結婚した事もあり、
なんか、母を見ている様で、それだけでも、辛くて。。。
こういった戦争体験を後世に伝えることは、我々の義務なのでしょうが、
果たして、「過去の戦争」と言い切ってよいのでしょうか?
私は、この作品を観て、「中東・シリアの悲劇」を連想してしまいました。
まさに、「この世界の片隅に」が、今現在進行しているのです。。。
当該作品を、映画という観点ではなく、いろいろな背景を理解した上で、
何かを考えるきっかけが欲しい人には、
上映している映画館が少ないですが、お薦めです。
Michi