「誰も「不幸せ」じゃないのに、悲しみに押しつぶされそう」この世界の片隅に mememeさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も「不幸せ」じゃないのに、悲しみに押しつぶされそう
知らない家にお嫁にいっても、誰よりはやく起きて嫁として井戸まで水を汲みに行ってても、主人公のすずはそれを「不幸」としていない。すずの周りの人もそう。毎日ご飯をつくり、家族と食卓を囲み、洗濯をし、困っている人がいれば助ける。戦争がきても、ただただ、毎日を過ごす。だって「そういうもの」だから。
よくある戦争ドラマと大きく違うのは、登場人物皆が戦争の酷さや意味について発言しないことだと思う。
その時代にいきた人として「そういうもの」として毎日を過ごす、ただそれだけというリアルがすごい。
見終わって二日経ってもまだ、映画のことを思い出すし、レビューを読んでは涙が出てきたりする。こんなことは初めてです。
ファンタジーな部分もあるし、コミカルで笑えるところもたくさんあるのに、どうにもリアルで、心が抉られるような苦しさと悲しさを覚えます。
でも、本当に見てよかった。
こんな映画を海外へも輸出してほしい。
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