「向こう側にあるもの」オーバー・フェンス 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
向こう側にあるもの
タロットカードの'死神,。破滅、終焉、死。この絵札、逆さまにすると、意味が変わるそうです。
ゴルゴこと、デューク東郷が、死神を正位で背負う者とすれば、本作の原作者さん、逆位の死神を握りしめて、執筆されたのかも。
人と人が惹かれ合う姿、普通、スクリーンで美化するのですが、なんだか描写が痛い。笑えない現実を、笑えないまま受け入れようとするスタンスは、やはり人を選ぶと思います。
とはいっても、古来より男と女は、バラとアザミ。近づくほどに傷つけ合う宿命です。それでも、フェンスの向こう側に、何かあると思いたいのも、人の性なのでしょう。
「海炭市叙景」より感傷的なのは、監督さんの人柄かな?。絶望と転生の狭間で、揺れ動く日々に、思いあたる方は、脚を運ぶことをお勧めします。そうでない方も、観てね。マイノリティのレポートだと思って。
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