「深刻な人種・宗教問題を、コメディにして描いた」最高の花婿 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
深刻な人種・宗教問題を、コメディにして描いた
フランス国民の5人に1人は見たと言われる2013年の作品。
基本的にコメディタッチなので深刻な雰囲気はしませんが、2015年11月13日のパリ同時多発テロや2016年3月22日のブリュッセル同時テロが起こった後の今だと、何とも複雑な気持ちもします。パリではなくて、フランスの地方都市を舞台にしたこの様なテーマの映画が作られるほど、人種問題、宗教問題は身近な問題で有ることを改めて思い起こされました。ただでも国際結婚は大変なのに・・・。
ちょっと重くなってしまったので、もう少し違った視点で。この作品は、上記のように2013年の作品なわけで、既に、中国の勢いをフランスにおいても感じてしまっているわけですが、これが、バブル華やかなりし頃の30年位前の時代であったならば、この作品での中国人のポジションは、日本人だったのではないかと・・・。
あ、やっぱり少し重い・・・orz
いずれにしても、ムスリムもユダヤ人も中国人もアフリカ系も、ちょっとづつ貶していて(失礼)、なんだかんだ言っても、『やっぱりフランスが一番!』と言いたい映画なんだなぁと思いました(笑)。ラ・マルセイエーズで盛り上がっていたりしますしね。でもそれは、もう一つの意味も有ったかなぁとも思っていまして、それは、様々な人種や宗教の人々が、フランスの旗の下で一つになっていると言う事も言いたかったのかなぁと。それが、本当なら良いんですけどね・・・
原題の「Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?」は、Google翻訳を信じるのであれば「私たちは神に何をしましたか?」と言う意味らしいです。確かに、クロードとマリーからしてみれば、そう言う事を言いたくなるかもしれませんね。
少し重いことを書いてしまいましたが、実際には、そんなに重い映画ではありません。実際、時々劇場に笑いが起きていたほどでしたし。あんまり難しく考えずに見るのが良いと思います。