エール!のレビュー・感想・評価
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こういう映画が観たい時ってある。
特に派手な展開がある訳でもなく、やっぱりそうだよねっていう感じなんだけど、こういう映画が観たい時ってある。
少し背中を押してもらいたいような時には、歌も楽しめるのでとても良い作品だと思います。
また自分の環境が変わった時に観返したら、今の自分の気持ちを懐かしむことができそうで楽しみです。
最後の歌、すごくいいなあ。旅立つ。逃げるわけじゃない。
さりげなく感動的
家族のキャラがな強烈すぎますが、少女を含め、愛があふれる家族。少女の成長を通して家族もまた一歩前に進んでいく、素敵なストーリーだと思いました。
試験のシーンは泣かせられながら爽快でもあります。
聾唖者の心を一人の女性の歌声が震わせた。
話の流れは、大凡判っていたが、感動した。やはり、エメラの歌声に何か強く心を動かされた。
しかしながら、実話でありながら、
どうしてコーラス部を選んだのか。
どうして、コーラス部入部に合格したのか?
どうして、教師が歌唱力を必要とする腹式呼吸の練習にポーラを選んだのか
何かと音楽教師がポーラを選んでいるところは、故意的で残念でもある。
父親の選挙立候補の挿話は必要なかったのではなかろうか。
何かポーラに関する話を、より深く掘り下げて欲しかった。
奇跡的才能を開花させた娘の新たな勇気(パリのオーディションは、最高。手話を交えて歌う場面がいいね!!最高!!)ある前進によって家族一人一人が、成長していく展開に涙が止まらなかった。
エンタメフランス映画
家族だからと、血縁を免罪符に連帯を強いる父と母に納得がいかないものを感じながら観ました。苦手な価値観なものですから。
ポーラに依存していた一家の生活は致し方ないけれども、他のことがしたいと言ったらさせてあげなさいよ、と思いました。
って、オチではちゃんと巣立たせてるんだからいいんですけどね。
素晴らしいと思ったのは、学校の発表会でのシーンです。
両親と弟の世界を表現していました。
ろう者の世界を垣間見ることができて、新鮮な感動と、この世界にいる疎外感に想像がおよび、両親と弟のハンデの手触りが少しわかったように思いました。
振動は聞こえるのですね。無音ではなく常に雑音だけの世界なのですね。
表現したのは映画を作った人なのだから、本当のろう者の世界である確証はないですが、精一杯の取材と想像力で表現したのはのだろうと信じています。
わたしはきこえますから、分からないのです。聞こえないとはどういうものか。
そのことに近づく機会が思いがけず得られたことに感激しました。
下ネタまみれの日常は、楽しく思いました。病院で娘に通訳させる内容が、セックス時に男性器に軟膏を塗ったか?とか、3週間性交渉禁止、いやいや長くて無理!といった内容。可哀想すぎます。笑いましたが。
で、ポーラは高校生で結構体格が良いのに初潮がまだという、驚きの設定でした。ありえへんくね?と思いましたがまぁ良しとしましょう。その初潮は気になる彼と抱き合いながら歌っていたら急に来た!きゃー女性ホルモンが一気に分泌したのね、これは当事者の女の子には可哀想だけど面白かったです。
弟のラテックスアレルギーも笑えました。これからはラテックスフリーのコンドームをちゃんと用意しないとね。
ガブリエルがそんなに歌がうまく思えなかったのがなんだかなーです。
ろう者の両親と弟の生活を支えることを義務と思い込み(そらあんだけ両親にせめられたらそうなる、本当にこのあたりは親の身勝手さにイライラしました)、音楽学校の受験を諦めるローラですが、学校の発表会での喝采を目にし、父はポーラの望みを叶えるべきと思ったのでしょう。
発表会後の夜の庭でポーラの首元に手を当てて肌の振動で音楽を懸命に「聴こう」とする父に泣かされました。
その後はべたな展開ですが、父が強引に受験会場に連れて行き無事試験を受けます。
で、ポーラは手話をつけて歌います。家族に意味がわかるようにという配慮と、自分の思いを代弁しているかのような歌詞なので、旅立たせてくれという意思表示のようでもあり、良かったです。
イライラするところもあるし、雑なストーリー運びもキャラ配置も気にはなりますが、本筋はグッとくるものがあり、よい映画だと思いました。
フランス映画といえば小難しげで消化不良なところで急に終わるから苦手、という方にもお勧めできますね。
小難しげなフランス映画も好きですが、わかりやすいこういう映画も嫌いじゃないです。
ヨーロッパの映画では、中年夫婦の性交渉があるべきものとして描かれるのが素敵だなぁと思います。
沢山の人に伝わってるとイイなと
予告をみて興味が引かれて観に行きました。
大まかなあらすじは想像できましたが、
後半にグーーッと持っていかれました
学校でのデュオのシーンで お父さんの聞こえ方でほぼ歌声は聞こえず
「こんな大事なシーンで???」と思いましたが
そこからのお父さんの感情、家族の思いが凄く良くて
ラストの歌唱シーンが それにより より素晴らしいものになりました
始まる前のロビーに手話をされている方が沢山みえたので、
あのシーン 伝わってると良いなと思いました
娘の家族からの自立、家族の娘からの自立
フランス映画祭2015(日本)観客賞<最高賞>、2015年セザール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)、2015年リュミエール賞最優秀新人女優賞(ルアンヌ・エメラ)・最優秀主演女優賞(カリン・ビアール)をそれぞれ受賞。
父も母も弟も耳が聞こえない家族でひとりだけ健聴者の少女が、歌声に類まれなる才能を見出され、パリの音楽学校への進学を勧められる・・・。
良いです!
フランス映画祭2015(日本)で観客賞<最高賞>を受賞したのも納得です。って言うか、ポーラを演じたルアンヌ・エメラが、セザール賞・リュミエール賞で受賞したのが【新人】女優賞で、ポーラの母を演じたカリン・ビアールがリュミエール賞で【主演】女優賞なんですが、この作品って、ルアンヌ・エメラが主演じゃないの?どう見ても、どう考えてもカリン・ビアールは主演じゃないと思うんですが・・・。新人女優賞と主演女優賞のダブル受賞は敢えて避けたんですかね?ルアンヌ・エメラは、主演女優賞にも匹敵しますよ。
圧巻なのが、最後のオーディションシーン。「良い選曲でした」と言う審査員のセリフもありましたが、正にそうですよね。ポーラが心をこめて、家族に向けて歌うシーンは、ジーンと来て、泣きそうになってしまいましたよ。ありゃ泣くよ、ホント。
そうそう。これは、障害者の自立を描いた話と言う側面もあるかなと思います。ポーラがパリに行ってしまうと、残された家族は(みんな耳が聴こえないので)日常生活が中々やりにくくなると思うんですが、最後は渋っていた家族もポーラのパリでの活躍を願って最終的には送りだしています。ポーラの自立とともに、家族も自立するという所が、この物語のいいところなんじゃ無いかなと思いました。
ポーラ以外の家族は父母弟全員が耳が聴こえないと言う事で、それが故に人とのコミュニケーションがもどかしく感じるところもあるんですが、逆手に取ったコミカルな演出もあります。実際、笑いが起きるシーンが所々ありました。ああ言う、ちょっと皮肉っぽい所が、フランスのエスプリなんでしょうか。
大事なことなので二回書きます。良いです!
自分のために生きることに葛藤する少女の健気な姿と心の解放に、ラストは涙腺が刺激される
★★★★☆
フランス映画もずいぶん様変わりしたものです。人生を斜めから見るような、ちょっと不道徳で時に難解、一筋縄ではいかない人間観察などなど、往々にして難解なもの、ヤマなしオチなしが代名詞といわれてきたものでした。
それが『オーケストラ』の大ヒット以来、一直線に泣ける、笑える作品が続々登場してきています。本作も、隠れた才能を見いだされたヒロインと家族の成長を描く人間賛歌。 耳が不自由な障害者おの家族を、これほどたくましく、ユーモラスに、かつ感動的に描いた作品はないでしょう。元気づけられるのは、歌と人間を愛し、奇跡を信じるすべての映画ファンに違いありません。
とはいえ、やっぱりそこはフランス映画。後で述べるように、設定には一ひねりしていました。
物語は、フランスの田舎町で酪農業を営むペリエー家が舞台となります。両親と姉弟の4人家族で、父ロドルフと母ジジ、弟カンタンは耳が聞こえません。唯一耳が聞こえるのは高校生の長女、ポーラ(ルアンヌ・エメラ)だけ。
それでも皆、陽気で活力にあふれていました。家族の中で、手話が激しく行き交い、それがダイナミックなアクションのような効果を生んで、家族皆がとにかくにぎやかに語りあっているように見えてしまうのです。
そんなある日、ポーラは思いを寄せていた同級生ガブリエルが、選択授業でコーラスを選んだのを見て、思わず同じ授業を受けることになりました。ポーラに天賦の歌声に気づいた音楽教師のトマソン(エリック・エルモスニーノ)はポーラの才能を伸ばして、パリで教育を受けるよう勧めるのです。パリで学べば、一流のオペラ歌手への道が開くのでした。
一方父親のロドルフは、村長が農地をつぶして工場を誘致する計画を進めていることを知り、反発。耳が聞こえないのは個性だ。黒人だって大統領になったのだから、自分だって村長になれると、村長選挙に立候補してしまうのでした。その自信たっぷりに選挙運動をすすめる様は、なかなか滑稽で可笑しかったです。
選挙運動で盛り上がる両親や弟たち。その姿を見るにつけポーラは、憂鬱になります。 才能があるのに、自ら努力しようとしなかったり、自信が持てなかったりして、結局は未開花のままの才能をつぷしてしまう人は多いことでしょう。しかし、ポーラの場合は家庭環境が壁になったのでした。歌手への夢どころか、そもそも歌を楽しむという感覚は、耳の不自由な家族には、もっとも説得困難なことだったのです。
家族3人分の手話による通訳を、ひとりでやらざるを得ないポーラ。でもパリへ行きたい!そうなったら、家族は耳と声を失うことになってしまいます。
ポーラの葛藤を柱に、ガブリエルとの恋や村長選を巡るドタバタも絡んで、映画はにぎやかに進んでいくのでした。
本作の魅力は、湿っぽくならず、あっけらかんとしているのがいいところ。一家は聾唖(ろうあ)は個性と、あくまで前向きです。
膣炎で、婦人科を訪れた両親が医師の前でポーラを通訳に性生活の議論を始めるところは、可笑しくて仕方ありませんでした。
医者から、夜の営みが激しすぎて控えるようにと指導されると、手話通訳に付き合わざるを得ないポーラは大まじめに、手話で通訳することになります。それを聞いた両親は、必死になって、毎晩セックスがしたいのだという要求を医者に認めさせようとポーラに通訳をけしかけるのです。年頃のポーラにとっては、赤面ものの連続で、何とも辛いところですが、見ている方はおかしくて大爆笑でした。
そんな際どい笑いこそ、フランス映画ならではといえるでしょう。
加えて、聞こえないことを体感させる場面の描き方が秀逸です。
卒業発表で、ポーラが歌声で観客を魅了する場面では、一家は誰もポーラの声を聞くことができません。そんな状況を大胆にも家族目線で無音で描きだします。それでも、周りの聴衆の感動ぶりを振り向かせて、家族に気づかせいて、劇的に盛り上げるのです。
あまりにストレートな予定調和な作品なので、屈折した内面描写や複雑な感情表現を期待する向きにはお薦めできません。
それでも、自分のために生きることに葛藤する少女の健気な姿と心の解放に、ラストは涙腺が刺激されることでしょう。フランスで4週も興行動員数のトップを独走した作品だけのことはありました。
本作で大注目なのが、ホープ役のエメラ。彼女は、オランダをはじめ、各国で人気のオーディション番組「The Voice」で、奇跡の歌声と称賛されて歌手になった翌年、本作品でスクリーンデビューを果たしました。
歌声はもちろん、表情をくるくると変化させ、ちょっとぽっちゃりした体を躍動させる演技力は半端ではないと感じました。
なかでも圧巻は、耳の不自由な家族が見る中で、途中から手話を交えながら歌うパリでのオーディションのシーン。歌手としても女優としても、今後の活躍が大いに期待したいです。
本作は、撮影や美術面でもこだわりを見せて、ポーラの活動的な生活に光を当てて丁寧に追いかけていました。
例えば、冒頭の登校の場面。
田園風景の中を自転車で行く時のなびく金髪や、スクールバスで音楽に夢中になっている表情のアップも印象的。
朝から生花や果物が飾られた一家の居間や、牛舎で生まれたばかりの子牛といる場面のように、やや過剰な小道具や背景の中でもポーラだけは際だって明るく可愛く撮られていて素敵です。
ラルティゴ監督の言う「華奢で壊れそうな雰囲気で、それでもしっかりそこにいる」という存在感がよく表現されたとおもいます。
挿入歌が素敵
話は家族愛と少女の秘めた才能を主に
進むのですが、うーん私はそこまで
涙腺が弱くなるところはなかったように
感じます。
少女が男の子の頬を叩いたり
コーラスの個人レッスンを途中で
やめて逃げてしまったり
少女の行動がよくわかりませんでした。
フランス(でしたよね?)のノリが
入っていて新鮮だなと思いました。
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