エール!のレビュー・感想・評価
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ハリウッドリメイク『CODA』のオリジナル版。 監督が違うにも...
ハリウッドリメイク『CODA』のオリジナル版。
監督が違うにも関わらず、CODAとは設定が異なるだけで、演出や話の順序等が非常に似通っている。違い(エール/CODA)を列記すると、
・酪農業 / 漁業
・弟 / 兄
・父親が選挙戦に出馬 / 聴覚障害を理由に漁業権を一時停止される
・正常聴覚者が演者 / 聴覚障害者を演者に含む
エールでは『 聴覚障害は(ハンデキャップではなく)個性のひとつだ』といいながら父親が選挙戦に出馬するが、一方CODAでは、聴覚障害を理由に漁業権が一時停止されるエピソードに置き換えられ、聴覚障害がハンディキャップになり得る事を強調している。
弟を兄に置き換えることで、主人公であるCODAが抜けた後の残された家族の生活障害が困難になりにくいように配慮されている。
またエールでは手話がめちゃくちゃだった(言語になっていなかった)点を反省し、聴覚障害者の俳優を抜擢したとのこと。
より『 CODA(Cildren of Deaf Adults )』や『ヤングケアラー(young carer)』の問題を強調した作りとなっているのが『CODA』と言える。軍配はCODA陣営に上げたい。
フランス映画感動❗️
元気な家族、あのあけっぴろげな性格のお母さんや型破りなお父さんがポーラを育てたのだ。
縛っていたかのように捉えていたが、あの両親家族だからこそ、ポーラを成長させたのだ。
最後の発表会、先生のはからいで、
娘の歌が聴く人々に感動を与える事を
肌で感じた家族の驚きと喜び。
さらに父親は、喉に手を当て声の響きを確認して、パリへのGoサインを出す。(やっぱりだいぶ震えていたのだろうか、自分だとあまり震えがなかった。)
最後のコンクール、途中から手話も入れて感動パパママに、
逃げ出すんじゃない、飛び立つんだ
と、訴えるように。
本当、審査員の人も言ってた、選曲がいいと。
フランスは、何というか、
学校の発表会の歌でも歌詞がビックリ、
娼婦の言葉❗️
発表会の舞台裏でキスするとは⁉️
日本とだいぶ違う。
ポーラ役の俳優さん、綺麗な声で上手かった。
これからが楽しみ。
下ネタ苦手さんには向かないかも
タイトルにも書いたように
ライトな下ネタがちょいちょい挟まるので、
下ネタが苦手な人にはそれが煩わしかったりで
あまり気に入らないかもしれない。
たぶんフランスでは両親のセックスとか
性関係のことは日常から隠さなきゃいかんって感覚ではなく
自然な流れで日常に存在してる感覚なのではないでしょうか。
体格がいいので当初は高校生とばかり思って観てたんですが、
初潮や声変わりのことを思うと
あれは中学生なんですね。
となるとまあずいぶんと早熟な。
発表会でデュエットさせる曲も
中学生に歌わせるジャンルのじゃあないような(笑)
多少構成が雑と指摘もされてる方もいます。
整合性を第一とするようなタイプの話じゃないので
そこは目をつむったほうがいいです。
それよりも、ちょっとした日常での生活音が大きいとか、
娘の晴れ舞台なのに家族にだけわからないとか、
または喉の振動で声を感じたいとする親の気持ちなど
そういったキーになる場面のさりげない演出がとても良かった。
いかにもここで泣けよとしつこく出してくるわけではない。
だから号泣はしませんでした。
でも私は後味とても良かったです。
だって障害を邦画で扱ったら、
ものすごく重くて悲しくて辛いのかわいそうでしょ、さあ泣け!て
ものが出てきそうなんですもの。
それを考えたら苦労まで笑い話にくるむエスプリのオサレなこと。
コミカルな作りなので、
フランス映画はちょっと苦手、という方でも
楽しめると思います。
普遍的な若者の夢への挑戦に聾唖者の家族愛を絡めたストーリー・脚本が素晴らしく、ハリウッドでのリメイクも納得
エリック・ラルティゴ監督による2014年製作のフランス映画。
原題:La famille Belier、配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム
普遍的な若者の夢への挑戦に聾唖者の家族愛を絡めたビクトリア・べドスのストーリー・脚本が何よりも素晴らしい。主人公のルアンヌ・エメロが手話の通訳を心ここに在らずではしょったり、危ない言葉を誤魔化したりするのが何とも微笑ましい。そして、パリの音楽学校入学のための歌唱試験で、ルアンヌが見守る両親に向けて手話をまじえながら歌い上げるのが、凄く感動的であった。
基本的にシャンソン風のメロディーはあまり好みではないが、ルアンヌ・エメラの歌唱力は素晴らしかった。彼女が颯爽と走る自転車の映像も素敵だ。そして、学校の発表会で、ルアンヌの家族の認識状況再現のため音が消え観客の表情の身がわかる演出が、実に上手いと唸らされた。
歌の指導教師演じたエリック・エルモスニーノ(ミュージシャンでもあるらしい)のオタクがかってる熱血指導も印象的。そして音楽学校の試験で、伴奏無しでの危機に、何とかエリックが間に合いピアノ伴奏出来、更に出だしの声出し失敗でわざと演奏をミスり、やり直しする展開もよく出来た脚本と感心させられた。
女友達への弟によるかなりエロい手話指導と、言わば落ちとなるゴムアレルギーによるアナフィラキシー騒ぎは、フランス風下ネタなのかな。
最後、家族の抱擁を終えて未来に向けて走るルアンヌの姿、そのストップモーションで終わるラストは鮮やか。更にエンドロールで、主役2人を始め複数のロマンス成就を見せるのもとても暖かくて気に入った。ハリウッドでのリメイクもうなづける、感動させられるステキな映画であった。
製作エリック・ジュエルマン 、フィリップ・ルスレ、ステファニー・バーマン
原作ビクトリア・ベドス、脚本ビクトリア・ベドス、 スタニス、ラス・カレ・ド・マルベル、グ エリック・ラルティゴ。撮影ロマン・バンダン、美術オリビエ・ラド、編集ジェニファー・オージェ。音楽エフゲニー・ガルペリン、 サーシャ・ガルペリン。
出演は、ルアンヌ・エメラ(ポーラ・ベリエ)、カリン・ビアール(ジジ・ベリエ)、
フランソワ・ダミアン(ロドルフ・ベリエ)、エリック・エルモスニーノ(ファビアン・トマソン)、ロクサーヌ・デュラン(マチルダ)、イリアン・ベルガラ(ガルリエル・シュヴィニヨン)、ルカ・ジェルベール(カンタン・ベリエ)。
「コーダ あいのうた」の元となった「エール」との違い
オリジナルを観てみました。
こちらは「コーダ」よりストレート。直球ですね。
設定で大きく違うのは「エール」は両親の職業が酪農業です。
牛を飼って、チーズを作り食肉に卸したり、農作物も作っています。
対して「コーダ」は漁業です。
船を沖に毎日出して網でカレイみたいな魚を父親、兄、ルビーの3人で、
毎日早朝から漁をしています。
そして家族構成ですが、「エール」は弟がいる。
一方の「コーダ」は兄がいます。
また大きく違うのは、聾唖のお父さんが町長選に出馬することですね。
(ここは意外な展開でしょ!!)
そして最大の泣かせところ。
娘のポーラが歌の才能を発揮する高校の合唱発表会のシーン。
最初に合唱があって、いよいよガブリエルとのデュエットの途中で、
音が無くなるのですが、無音というより耳鳴りのウワーンという音の中で、
娘は歌い踊っといます。
聾唖者にはこう聴こえているのですね。
どんなに娘の声が聴きたいことでしょう。
それを思うと切なかったです。
こちらはフランス映画ですから、歌うのはシャンソン!!
歌詞が個性的でしたね。
どちらもハイライトになるのは、音楽学校のオーディションのシーン。
ポーラ役のルアンヌ・エメラは、上手ですが少々表現が硬いですね。
「コーダ」ルビー役のエミリア・ジョーンズは伸びやかな声で、
もうメチャメチャ上手いです。
オリジナルにはオリジナルの良さがあり、「コーダ」は進化形の良さがあります。
両方観てみるのも楽しいですね。
愛の叫びは届いたか?
テレビ大阪「土曜シネマスペシャル」で鑑賞(吹替)。
リメイク版(コーダ 愛のうた)は未見です。
一部の描写に違和感を覚えましたが、それを抜きにしても、主人公の成長や家族の絆の物語は涙無くして観られない…
ポーラの愛の叫びが自身の道を切り開いただけでなく、娘に依存していた家族に前へ踏み出す勇気を与えたなんて…
デリケートに扱われがちな題材を、笑いあり涙ありの人間ドラマとして描き、温かな感動を齎してくれる秀作でした。
ティーンのもがいて羽ばたく姿は特別
自分は家族と共に生きていくもんだと思っていた主人公が自分の可能性を信じて殻を破って飛び立とうとするクライマックスがよかった
ここから逃げない、飛び立つだけ
作中では語りきれない苦悩があったからこその家族との絆
うまく話せない家族が立ち上がって感動を爆発させたシーンはグッときた
最後がどうなったとか蛇足がなくて笑って泣いて素敵なお話
ラストに家族みんなで抱擁してキスをする時にお母さんが娘の長い髪の毛を手にとってキスをしていて子供のすべてを愛している母親の愛を感じるシーンがとてもよかった
後半の展開はリトルミスサンシャインと少し似ていた
レディバードとも少し被る、どちらも大好きな作品
ワーゲン バスとルノーカングーどちらも幸福のイエローボディ
次はイエローにしようかな
極めて明るいアグレッシブな家族
長女の高校生、ポーラ以外は父母も弟も聾唖者という気の毒な一家、おそらく遺伝性の難聴なのでしょう。まるで神様がそれを償うようにポーラに天性の美声を与えたのかもしれませんね。
障害にめげず健気に生きる家族の映画というと涙の感動物語になりがちですが本作は極めて明るいアグレッシブな家族です、どうも下ネタが多いのは頂けませんがお国柄なのでしょう。劇中歌も同様、きわどい歌詞なので高校生には不似合いに思えてしっくりきませんでした。
歌手の夢と家族の手助けの板挟みで葛藤するところなどは共感というか、あまりにも既定路線、風変りな音楽の先生のキャラは素敵でしたが、選曲に馴染みがないせいか、正直、ポーラの歌唱が月並みにしか聞こえなくて感動のステージとは思えませんでした・・。
逆に言えば監督はナチュラル志向、安っぽいお涙頂戴映画や作り物的な感動シーンを嫌ったのかもしれませんね。
フランスの公開では手話が間違いだらけなど聾唖者団体から抗議が寄せられたようです、本作では実際の聴覚障害者は弟役(ルカ・ジェルベール)だけでしたが米国のリメイク版ではその点を考慮したのか父母、弟全員が聾話俳優(トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント)で父親役のトロイ・コッツァーさんはアカデミー助演男優賞に輝きました。
さすがフランス?
遅ればせながら、リメイク版「Coda」を観てからのエール。
Codaはとにかく良かったのは、元祖が良い作品だからでしょう。
ただ、アメリカ版の方が個人的には好き。
出てる人が好きというのもあるけど。
いろいろ元祖とは設定を変えているけど、そこはさすがアメリカだなぁ、うまいな、と。
市長選はどうなったんだっけ…?
フランスでは学校にいる間にあんなにオープンにやっちゃうの?
弟(何歳だっけ?)に手を出す親友って…。
合唱部だよね?高校生が官能的な踊りって。(笑)
と、まぁ、いろいろ突っ込んで観てしまったが、オーディションのシーンはやっぱり泣ける。
主役の子は可愛いし、やはりおしゃれ!
ミニのワンピース姿!可愛い〜
そこはフランスだね。
なかなか面白かった!親の耳の障害のせいで色々上手くいかないことや意...
なかなか面白かった!親の耳の障害のせいで色々上手くいかないことや意思疎通ができないながらも自分でしっかり踏み出していく姿に感動した。
・最後の歌に向けた壮大なフリ。両親に向けた旅立ちの歌詞が泣けてくる...
・最後の歌に向けた壮大なフリ。両親に向けた旅立ちの歌詞が泣けてくる。
・発表のときに音声がなくなり、聴覚障害者として舞台を見るシーンが◎
・家族愛の素晴らしさ
素晴らしい
全く期待してなかったため、高得点に…
本当に素晴らしい映画でした。
特に終盤の手話付きオーディションシーンは
涙が溢れてしまった。
父親、母と多感な兄弟に友人
聾唖という問題を決して特別視せず
家族の一部として描く姿にも感動しました。
観てよかった。本当に良かった!!!
私的には、家族あるある
母が…成長と共に視覚障害を患っていった私にとって、この映画は家族あるあるなシーンを沢山含んでいた。
冒頭の方に出てくる、学校へのお迎えのシーンで、悪意もなく、非常識なわけでもないけど、ハンディによって他の大人と違うことをしてしまう自分の親を恥じる気持ち。そして、そんな自分を何より恥じてしまう気持ち…
言いたいことがあっても、親のハンディに踏み込んでしまう発言だったり、他の子の親ならああしてくれるのに、こうしてくれるのにという、思わず出てしまう気持ちと、それを抑える愛と理性で、口を閉ざしてしまうところ。
私にとっては、思春期の頃の、抱えきれない不安とか、支えたい気持ちとか、苦しみを見ているようだった。
それ故に、ラストのオーディションで、誰の前でも物怖じしないという強い気持ちで堂々と手話と共に歌う彼女に魅せられ、心から感動しました。
もっともっと、メジャーになって欲しい作品です。
こういうのをテレビでやってくれたら良いのにな。
個性的な家族のチャーミングな笑いに溢れた心温まる映画。
フランスの片田舎で暮らす少女が歌の才能を見出されていく物語。特に家族が全員聴覚障がい者であることを除いては、極めて王道なストーリー展開と言っていいかもしれない。しかしそれはこの映画にとって必ずしも欠点ではない。その王道の分かり易さが実に心地よく、安心感があるからだ。最後の最後に、手話を用いながら歌う姿など、分かり切っている展開だと思いながらも、やっぱり感動を覚えてしまった。寧ろ、こう来てほしい展開にちゃんと来てくれた!という快感に近い感覚。それは王道の醍醐味。
しかし、それ以上にこの映画を愛したくなるのは、主人公含める家族全員のチャームが輝いているからだ。彼らは全員、陽気でユニークで個性的でとても面白い人々だ。突然村長選に出馬を決めた父親も、派手好きでヒロイン気取りの母親も、年頃でマセた弟も、そしてもちろん歌の才能を開花させる唯一健常の主人公も、全員が全員粒だった個性を持っていて、その個性的な彼らの繰り広げる言動の可笑しみが喜劇に活力を与えて何度も笑いに誘われる。本当に愉快で楽しい。主人公の歌の威力にまったく負けないチャーミングさを全員が持っているからこそ、コメディとして力強く成立する。
2時間を常に温かい気持ちで過ごせる映画、というのはやっぱり嬉しいし大切だと思う。家族は聴覚障がい者だけど、映画は特別にこの作品を通じて障害について考えてほしいなんてことは(いい意味で)恐らく考えていないのだろう。だから何の押しつけも感じることなく、素直に物語を楽しめる。
「ハートウォーミング・ムービー」「フィールグッド・ムービー」と呼ぶと、どこか毒にも薬にもならない映画を皮肉ったみたいに聞こえてしまうことがあるけれど、作品に少しでも嘘があると一瞬にして破綻してしまうのがハートウォーミング・ムービーの難しさ。それを難なく飛び越えて軽やかで爽やかな喜劇を楽しませてくれたこの作品。愛らしくて可愛くて愛おしくて好きになりました。
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