エール!のレビュー・感想・評価
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極めて明るいアグレッシブな家族
長女の高校生、ポーラ以外は父母も弟も聾唖者という気の毒な一家、おそらく遺伝性の難聴なのでしょう。まるで神様がそれを償うようにポーラに天性の美声を与えたのかもしれませんね。
障害にめげず健気に生きる家族の映画というと涙の感動物語になりがちですが本作は極めて明るいアグレッシブな家族です、どうも下ネタが多いのは頂けませんがお国柄なのでしょう。劇中歌も同様、きわどい歌詞なので高校生には不似合いに思えてしっくりきませんでした。
歌手の夢と家族の手助けの板挟みで葛藤するところなどは共感というか、あまりにも既定路線、風変りな音楽の先生のキャラは素敵でしたが、選曲に馴染みがないせいか、正直、ポーラの歌唱が月並みにしか聞こえなくて感動のステージとは思えませんでした・・。
逆に言えば監督はナチュラル志向、安っぽいお涙頂戴映画や作り物的な感動シーンを嫌ったのかもしれませんね。
フランスの公開では手話が間違いだらけなど聾唖者団体から抗議が寄せられたようです、本作では実際の聴覚障害者は弟役(ルカ・ジェルベール)だけでしたが米国のリメイク版ではその点を考慮したのか父母、弟全員が聾話俳優(トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント)で父親役のトロイ・コッツァーさんはアカデミー助演男優賞に輝きました。
生きることを愉しむことの大切さ
元気になる映画
母と娘、子離れと巣立ちの物語
米リメイク版がアカデミー賞にノミネート。
オリジナルは未観賞だったので、Amazon Prime videoにて。
酪農業を営む両親と弟は聴覚障がいを持ち、家族の中で唯一健聴者である女子高校生の主人公が、音楽教師の導きによって歌手を目指す物語。
主人公のポーラを演じたルアンヌ・エメラは、音楽オーディション番組で人気を得てデビューしたフランスでは注目の歌手らしい。歌手デビューとほぼ同時に本作でスクリーンデビューし、この演技でいくつかの賞を受賞している。デビューアルバムもシングルカットも国内チャート1位を記録したとか…。
原作があるのか、モデルがいるのか、オリジナルストーリーなのかは知らないが、彼女あっての映画だ。
韓国映画『野球少女』とはシチュエーションもテーマも違うが、親は子供の進路(将来)が安全・安心であることを願いつつも、子供のポテンシャルを信じて冒険を後押しすることができるか…を問う点において似たものがある。主人公が女の子だから、対角線の先が母親になるのも同じ。
ポーラは歌のことをなかなか家族に言い出せないのだが、普通は子供が何に熱中しているか親には多少は見えるものだ。が、聴覚障がい者の両親に「唄っている」ことは分かりづらい。これがドラマに皮肉な展開を与える。
クライマックスまでは、ポーラの可哀想な面が強い。
健聴者として生まれたばかりに、家族の通訳として世間との対面に立ってきた彼女。
母親は娘が生まれたとき、健聴者であることを知って「育てられない」と嘆いた。
父親は「聾唖者として育てよう」と励ました。
そして今、娘は「両親を見て育った、聾唖者の心を持っている」と伝える。
だが、母親は「それなのに歌を唄うのか」と責めるのだった。
娘の歌の実力が計れないから、芸能界は怖いという親心もあるにはあるが、映画の前半は明らかに子離れできない母親の姿を描いているように見えた。
自分にとっては、いつまでもベビーちゃんなのだ。
合唱クラスの発表会で娘の実力を両親は感じることになるのだが、その背後には、この発表会にかける音楽教師の作戦があった。直接的に教師の行動は見せないが、ボーイフレンドに協力を要請してデュエットを披露することができたのだ。
オーディションを諦めたポーラに、一度でも観客の前で唄うことを経験させたい。親たちに彼女の歌を聴かせたい。自分が見出だした才能に、光を当てたい。そんな思いが教師にはあったのだと思う。
発表会でポーラが唄う姿を両親が見たあとは、胸を打つシーンが連続して大団円を迎える。
エンドロールには、「その後」だと思われるスチールが写し出される。父親が村長になれたと思わせるスチールもあった。
感動の余韻を「ほっこり」させて胸に馴染ませてくれる、良い幕引きだ。
このオリジナルがあったからこそ
コーダを観てから原作である本作をAmazon primeで鑑賞。主人公の家族構成やストーリー展開もほとんど同じ。一番違うのは主人公一家の仕事、コーダは貧しい漁師だがエールは平均以上の酪農家。コーダの一家にとって主人公は居なくては困る存在。漁船に乗って漁をしている時に耳が聞こえないのは非常に危険。彼女がいないと漁が出来ず生活に困る。対してエールの主人公も酪農の仕事を手伝っているが、いなくては困るほどの存在ではない。コーダが一家を貧しい漁師にしたのは、歌を習いたいが家を見捨てられない、という主人公の葛藤をより強く表したかったのだと思う。その点でエールよりも物語に深みが出たと思った。
またコーダではボーイフレンドとの恋愛を、きれいな情景の中で爽やかに描いているがエールではそこまでの恋愛ではない。
総じてコーダの方が内容が深く優れた映画だと思うが、コーダの名場面のほとんどがエールにあったのを観て、やはりこのオリジナルがあったからこそのコーダなのだと思った。
母親目線で娘の旅立ちに涙する
これはリメイクすべき映画ではない。もう一度撮り直す必要がある映画だ。
『Coda』のオリジナル
黒牛オバマ
『CODA』を観てからの鑑賞となりましたが、下ネタは健在、終盤なんてほぼそっくりに作られてたんだとわかった。音楽教師の性格なんてのもほぼ同じだったし、家族のキャラにしてもこちらは兄ではなく弟。ゴムアレルギーという笑えるシーンもあった。
父親が村長選に立候補するというフランス流コメディも雰囲気が良かったし、労働者の苦悩を前面に押し出してないので気軽に楽しめるオリジナル版。その分、主人公ポーラの音楽に対する情熱は半減していたし、恋心も中途半端だった気がした。やっぱり大胆さはアメリカの方が凄いということかな。
そして父親のキャラがリメイク版『コーダ』の方が圧倒的存在感で訴えてくるし、対するこのオリジナル版では選挙運動の熱も途中から冷めてくるところが残念なところか。さらに絶対的な違いは生活臭なのだろう。キレイすぎてもダメなんだろうなぁ・・・と感じました。
【3週間vs2週間】
リメイク版「CODA」を観るにあたって再鑑賞した。
この作品を初めて見た時は気が付かなかったが、リメイク版と比較してみて、フランス版の特徴みたいなものも感じた。
レビュータイトルは下ネタなので、映画を観たら分かります😁
(以下ネタバレ)
最初に驚いたのが、フランスのこの田舎の地域社会が聾唖者を、普通に受け入れている描写だった。
それに、ポーラの父親は村長に立候補して一定の支持を得るほどだ。
実は、初めてこの作品を観た時に、そこに感動していたことを久しぶりに思い出した。
そして、音楽教師トマソンは、リメーク版より、先を照らすような示唆的な発言をする。
練習とは間違えても続けること。
考えすぎないでバカになれ。
意気地なしは、自分自身もそうだったが、穴を掘って閉じこもる。
いちいち、心に刺さることを言う。
もう一つ、フランスならではと思ったのが、デュエットの選曲だ。娼婦の気持ちの揺らぎを比喩として取り上げている。
「CODA」の選曲はアメリカっぽかったし、日本の高校でも「エール!」のようなデュエットの選曲はあり得ない気がするのは僕だけじゃないだろう。
この作品は、聾唖者が健聴者の子供を持ってしまう葛藤に思いを馳せ、そして、誰かが誰かを支え、励まし、そして登場人物のほとんどが成長するのを見守る物語だし、ストーリーを素直に楽しみたい作品だとも思うが、フランス社会の良さやユニークさなども垣間見られて興味深い物語だった。
コーダから流れてきたけど、やはり泣ける
「コーダ あいのうた」のモトとなった映画
やっぱり素晴らしい🎵
ゴーダのリメイクが進化したのなら、日本のリメイクがどうなるのか‼️❓
さすがフランス?
遅ればせながら、リメイク版「Coda」を観てからのエール。
Codaはとにかく良かったのは、元祖が良い作品だからでしょう。
ただ、アメリカ版の方が個人的には好き。
出てる人が好きというのもあるけど。
いろいろ元祖とは設定を変えているけど、そこはさすがアメリカだなぁ、うまいな、と。
市長選はどうなったんだっけ…?
フランスでは学校にいる間にあんなにオープンにやっちゃうの?
弟(何歳だっけ?)に手を出す親友って…。
合唱部だよね?高校生が官能的な踊りって。(笑)
と、まぁ、いろいろ突っ込んで観てしまったが、オーディションのシーンはやっぱり泣ける。
主役の子は可愛いし、やはりおしゃれ!
ミニのワンピース姿!可愛い〜
そこはフランスだね。
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