二重生活のレビュー・感想・評価
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ちょっと大人な哲学物語
篠原教授らしき男性がコードをドアノブにひっかけ首を括るという衝撃のシーンからスタート。
論文が書けずに悩む大学院生の白石珠が教授に勧められて、理由無き尾行を始めます。
どんどんと深みにはまってい姿が恐ろしいけれど、とても面白く、興味深いです。
尾行をはじめ、石坂史郎のすぐ後ろを歩く映像は話の中に入り込めるようでとてもスリリングで良かったです。特に石坂の不倫現場を目撃してからはさらにドキドキ感が増しました。
その分、尾行がエスカレートするにつれてやめてくれと言いたくなるほど。
珠役の門脇麦さんは尾行する眼鏡女子が結構合っていて見やすかったです。
自分とは何か、どうして生きているのか、といったように哲学が軸にあるので、少し内容的には難しいですが、自分を見つめ直せたような気がします。
理由無き尾行
興味が湧いてやりたくなる気持ちは意外と分からなくもないのですが、一線を超えて他人の見てはいけないところまで見てはいけないということですね。
やっぱり尾行をして他者の秘密を覗くのは怖いのでやめておきます。
久々に心が重くなった作品。
この作品は誰もが面白く楽しかったとは言えないもの。
ただ…だからこそ言葉を残したいと思った。
あくまでも個人的な好みですが、大きな見せ場や感動を掴むなど
解かりやすい演出ではなく、ハッピーエンドでもバットエンドでは無い。
何となく「いい映画だった」と感じる作品って中々出会いない・・・
「自分ってなんだろう?」と何となく生きる主人公を「これ以上を演じることは出来ないだろう!!」と思わせる門脇麦に脱帽です。
主人公の脇を固める俳優の演技も素晴らしかった。
そして、この様な作品を作れる現在の日本も素晴らしいと思う。
尾行とは裏の顔を除く行為
尾行することで心の隙間を埋めようとする主人公の行動を追った映画。
尾行とはその人の裏の顔を知る行為なのだと気付かされる。
表向きが幸せそうで成功した人生を送っているような人ほど、裏の黒い顔があるのかも知れない。
でもそれは表の顔ために必要な顔なのかも知れない。
ラストシーンの文章は、恐らく教授?尾行されている者自身の心だと思う。
久々にまともな作品を見た気分
Amazon primeで、しかも携帯の画面での視聴。
それでも というか それだからだろうか
とても良い映画だった。
最近 ろくなのを見てなかったので、やっぱりちゃんと作った物は面白いじゃないかと。
原作は未読だが この作り方は原作では表現し得ない部分もうまく作られている気がする。役者さんに負うところはもちろん多いと思う。
始まってすぐのベッドシーン。
このリアルさは、すごい。
若い同棲カップルが狭いベッドで寝ていて 朝 目覚ましが鳴る。
起き抜けって絶対 口が臭いはずなのに(多分どんなやつも。
これ外国映画でいつも気になっていたやつ)
ここで 菅田将暉がそのままろくな前戯もなく自分の朝立ちを解消するかのように性行為に入り、女の子の方が「つけて」と言い、男の方は自分の用が終われば終了。女の子は起き上がったあとその残骸をティッシュで摘んで捨てる。
このかなり身勝手な行為(ですよ) が、二人の関係性をものの数分で表している。
女の子は嫌々応じてるわけではないけれど、自分の気分優先の子なら絶対 拒否するやつ。
エンドロールで相模ゴムが協賛してて クスッと笑えたけど、これは避妊はもちろんの事だけれど、これやってくれないと、女の方は、一日中ダラダラと出て来てホントに不愉快極まりないんだよねえ、となつかしく、と言うのも変だけどまあ昔の事なのでそんな事を思った。
卒論のための尾行。
哲学科なんかに行く人間の精神状態はよくわからないし、なんでまた哲学科って、そもそもそんな科を選んで何になれるんだろうかとか 哲学って 人間が自分自身を追い込むためのノイローゼ助長学科みたいなものにしか見えないよなあと思いながら見てたら まさにそんな感じになって行く。
ほらね。
長谷川博巳の端正な顔の裏にある、見境のない感じというか
どの場合も相手(女性)からのアプローチにきちんとお応えしてるだけの事とも言えるけど、妻と娘のいるセレブ(笑)の裏側という部分では 映画ならば まあありきたり なんだけれども引き込まれる。
出版社にお勤めって設定で このロケのビル
実際にある市ヶ谷あたりの出版社の玄関だよね。
行った事があるので多分間違いない。けど、さりげなさすぎてただのビルにしか見えないからせっかく本物使ってても知らない人にはそこが出版社の設定って事にすら気付かれなさそう。
というくらい “さりげない”がウリな感じ?
リリーフランキーも西田尚美も
この映画のテイストにぴったりだった。
何より ゴミ管理のおばさんが 烏丸せつこって言うのをエンドロールで気づいて、へええと思った。
菅田将暉は今 もうこのくらいの役はしなくなってしまった。もっと主役級のものしかきっとやらない。
それがすごく残念に思える。
うーん 。いやあ〜
こういうのを 堪能したって 言うんだろうなあなんて思った作品でございました。
満たされない心
登場人物の殆どが嘘をついている。
あの大学教授は主人公が1人目の対象者の尾行に失敗する事も、2人目の対象者が自分になる、と言う事も全て想定内だったのではないか?
他人を通して自分はどう見えているのか、どんな存在なのか知りたかった。
リア充って言葉があるけど、それは見せかけで実は心の奥底では空っぽだとか、満たされないとか人は誰も同じ
なのかも知れない。
教授は売れない女優に妻役を頼むけど、演じていないつもりでも誰もが石坂の様に父親として、夫として、会社員としての顔がある。秘密があるからこそ、家族に優しく出来るのだろう。
教授は母親の前でずっと良い息子を演じて来たのだろう。病床の母親に偽の婚約者にまで会わせて安心させる。その偽の婚約者を好きになったのか、「いつかまた会える?」と彼女に聞くが答えない。
教授が死ぬ事を選んだ理由があるとしたら【孤独】か。
何の為に生きていくのか虚しくなってしまったのか⁈
人は抱えきれない孤独を持っている。
そこから解放されたいと思った時、死にたくなるのだろうか?
教授もまた孤独な人だった。
あまりおもしろくなかった、
んー、話の流れや設定はわかるけど、「だから何?」ってな感想。
興味深い話の始まりだったけど、そのあとなにか衝撃とか「なるほど」と思えるまでのことはなく、引き込まれるほどのこともなく、なんか退屈で、これもまた見ようとは思えない映画だった。
リリーフランキーの教授のセリフは、ボソボソ話してて、もうちょい声を張ってほしかった(笑)
影から見えるもの。
人はある人のことを100%知ることはできない。それは付き合っているパートナーだろうが、尾行している対象であろうが関係ない。しかし完全に理解できないからこそ、その人を知ろうと興味を持つのだろうか。そんな風に考えていたら主人公の珠のことに関心を持っている自分に気がついた。珠のことを尾行していたのは教授なのか卓也なのか大家さんなのか、、、それとも映画を見ている自分だったのか…
そして人はどこで誰に見られているのかわからないという恐怖も感じた。過去に戻り、文春に抜かれた僕の推しメンのアイドルにこれを紹介したい。
我を忘れて尾行にのめり込む、近過ぎるそのスレスレの距離感に、見てい...
我を忘れて尾行にのめり込む、近過ぎるそのスレスレの距離感に、見ていられない程ドキドキしてしまった。
しかし、尾行で生々しい他人の事情を目の前で確認したところで、所詮は他人。インターネットで情報を得る行為と大差ないんじゃないだろうか?
自分の事を深く理解出来ない人に、他人の何がわかるんだろう。
気持ちは向こう側の他人に向いていても、そこにあるのは情報だけ。まずは目の前にある、1番近しい人との関係を構築すべきだと思った。
人のことなんて全て分からない
見つからないように尾行するというのが、異様にハラハラドキドキでした。
尾行が人を理解する手法というのは納得。
まわりの人がどうやって日々を過ごしてるなんて、本当にわからないし、私が対面してる相手はほんの一面にし過ぎない。例え家族ですら、見ているのはほんの一部だ。
時間を無駄にしたゴミ映画
変わった設定から始まる物語なので後からわかるだろうと期待して見ているとそこに関してはスルーなので本当にぱっとしない映画。ストーリー性に欠けるから途中笑っちゃった。物語の3分の2くらいはずっと尾行してるだけ、恋人の拓也との普通すぎるシーンの必要性も理解できない。後半に何かあるのかと思いきや、今度はまた違う設定で最後の最後までなにが伝えたかったのかわからない。それなりの役者使ってるから味出てますみたいな感じだけど内容的にはつまらないクソ映画。時間無駄にした。
内容の濃い作品
視聴者として麦ちゃんを見ていると、自分が麦ちゃんを尾行しているような気になります。自分自身幼少期に母親を亡くしているので、主人公の感覚が良く理解できました。兄が長谷川氏のように人間味あふれる人生を送っているのを私は傍観していたので、やけに既視感がありました。空っぽの感覚、核心ついてます。みんな完璧に、幸せに見えてもいろいろな部分があるんだな。それで足りない部分を何とか誰かと補い合いながら生きてるのかな。
人間の本質をシンプルに問う、内容の濃い作品だと思います。麦ちゃんの演技すごい。
人の表裏を見せる物語。
書きかけ。
と言うより見終わってから一週間経ってしまったのでうろ覚えの部分もあり、自分が受けた感情を思い出しながら書く部分もあり。このレビューは見た感想の覚書と言う意味合いが強いので、薄れてしまったそれを今書くことに少し抵抗がある。
人は誰でも秘密を持っている。複数の二重生活が織り成す人間模様。それぞれの生活が丁寧に描かれることによって見えてくるものがある。それは嘘だ。
もう一度見たい作品。ただ少し重い話なので気が滅入る。
人の表裏を分かりやすく描くことで「人間」というものの存在を問いかける作りになっている。
幸せそうに‘見える‘だけで、実際は分からない。
他人を見て幸せそうだなと感じている時点で、満たされていないのかも知れないなと思った。他人の生活を覗いてみたいと一度は思ったことあると思う。結局自分よりも上か下かでマウントをとりたいためかもしれないが(笑)友達の話を聞いていても、大体がへえ~という感想で終わるみたいに、他人の生活を覗いたところで特に印象に残らずに終わると思う。何か特別な感情が生まれるような生活があるなら覗いてみたいと思うが。
論文のためとはいえ、最初に提案されたときは戸惑っていた主人公だったけれど、いざ始めてみたら今までの退屈していた、自分の中にぽっかり空いた穴が埋まっていくような気がして、どんどんはまっていく様が分かりやすかった。門脇麦ちゃんの表情・目が戸惑いからある種の使命のようなものに変わっていった気がする。この映画では尾行した人の生活がたまたまネタの宝庫というか、題材にするならばもってこいの内容だったから良いものの、これがもし何もない人の生活だったらあんなにハマったのかな、と無駄な疑問が生まれた。
菅田将暉は出ているけれど、出ていないような空気感でとても上手だなと思いました。この二人が交わることはもうないのかな、と少し寂しい気持ちになった。
周りには絵に描いたような理想の家族と思われていた石坂家であったが、少しずつ綻びが生まれ崩れていく様子が分かった。奥さんはきっと前から疑いを持っていたと思うが、夫を信じたい気持ちがあって行動に出れなかったんじゃないかな。主人公が尾行し始めてから、生活が崩れ始めたとなるとこいつのせいだ、と思ってしまうのは仕方ない気もする(笑)完全に責任転嫁だけれど。
映画を通して思ったのは、あまり深く他人を知りすぎない方が良いということ。世の中に何の秘密もありませんよ、なんて人はいないと思う。長い人生において、皆なにかしらの秘密は持っていると思う。表に出すか出さないかの違い。
映画は終始盗撮っぽいというか、誰かの目線で見えている感じでユラユラしていたので、たまに酔いそうになったけど面白かったです。
面白い
二重生活
★★★★☆ 3.8
今まで何となく生きて、何となく勉強をして、何となく生活してきたという珠。彼女の大きな不安の要因であった、自分が満たされていない感覚。尾行をすることによって少しずつ満たされていったという。
しかしこれは石垣によって、一蹴される。
「お前の物語はありふれている、少しも面白くない。満たされてある人間などいるものか、人間が何のために生きるのか、そんなのお前に分かるわけない。」
学生のうちに見れてよかった。
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