劇場公開日 2016年6月25日

  • 予告編を見る

「不思議と惹かれる妖しさ。理由なき“尾行の哲学”。」二重生活 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0不思議と惹かれる妖しさ。理由なき“尾行の哲学”。

2016年7月24日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:“尾行”を通して、他人の本性を覗き見た主人公の葛藤が率直に描かれ、不思議とハラハラさせられる。大学教授のサイドストーリーもまたしかり。
否:描写自体は淡々としているので、興味を惹かれないと眠くなるかも。必然性に疑問の残るラブシーンもかなりあり。

 論文のテーマがきっかけで、“尾行”という禁断の世界に足を踏み入れてしまった主人公が、対象の人間の本性を垣間見てしまう様子が、まるで主人公の視点を追体験しているようで、淡々としているのに思わずハラハラさせられてしまいます。
 そんな主人公のストーリーとは別に、彼女に尾行を勧めた大学教授・篠原の、こちらは切ない“二重生活”にも、“家族”が持つ意味について、改めて考えさせられます。
 「・・・必要?」
と思ってしまうようなラブシーンも結構ありますので、好みは分かれそうですが、妖しくてどこか惹かれる“尾行”の世界を、ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド