「アメリカらしい、いい映画」ブリッジ・オブ・スパイ Trssさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカらしい、いい映画
冷戦下での米ソのギリギリの交渉を描いた映画と言えばケビン・コスナー主演の「13デイズ」という良い映画がありましたが、本作もこれに匹敵する素晴らしい出来でした。
アメリカの信じる大切な価値観:フェアである事、法の下の平等、そうした原則を守ろうとする男が、ソ連憎しで固まるアメリカ社会と戦って、最後は賞賛されるというオースドックスな作りがアメリカ映画の王道を行く感じですね。
飄々としたソ連のスパイがとっても魅力的で、二人の立場を超えた信頼も素敵でした。ベルリンの壁が作られつつあった時代、戦後の荒廃したドイツの描写も印象的でしたね。本当に見応えのあるドラマでした。
ここからは蛇足ですが、スピルバーグは、今のテロの時代こそ、力ではなくて普遍の価値観で戦うべきである事、立場を超えた人としての相互理解の大切さを訴えたかったんだろうと思います。今、イスラム国のスパイがアメリカで逮捕されたら、我々はどうするんだという問いかけのような気がしました。
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